韓国検察が27日、金民錫(キム・ミンソク)首相候補者の資産疑惑に関する告発事件を警察に移送し、「直接の捜査開始は自制する」と明らかにした。
ソウル中央地検は同日、「金民錫候補者に対する告発事件を、関連事件を捜査中のソウル警察庁に移送した」「今後も直接の捜査開始を自制し、民生事件捜査に集中していく計画だ」と述べた。検察が20日、同事件をソウル中央地検刑事第1部に割り当てると、与党・共に民主党は「政治検察が『金民錫殺し』に乗り出した」として反発した。このため、「今回の移送決定は共に民主党の圧力と無関係ではない」というのが法曹界関係者たちの解釈だ。
金民錫候補者はこの5年間で国会議員としての歳費収入により約5億ウォン(約5300万円)の収入があった一方、それより多い約13億ウォンを支出したことが明らかになっており、疑惑を招いている。そして、検察と警察に政治資金法違反などで告発状が提出された。
検察が警察に事件を移送し、「直接捜査を自制する」と述べたのは異例のことだ。これまでは通常、有力政治家の不正腐敗事件は特殊捜査の経験が多い検察が主導して捜査してきた。検察出身のある弁護士は「検察改編を公約した現政権の顔色をうかがい、検察が自ら捜査を放棄したのではないか」と話す。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は先の韓国大統領選挙で検察の捜査と起訴の分離を公約しており、与党・共に民主党は検察庁廃止・公訴庁設置などの関連法案を発議した。
パン・グクリョル記者