6月に記録的な猛暑が続いた米国で、道路が突然隆起し走行中の車が次々と跳ね上がる事故が発生した。
USAトゥデーが6月23日に報じた。それによると前日米ミズーリ州のケープジラードー市で32度を超える猛暑によりアスファルトが隆起し、傾斜路のように変形した様子が確認された。この様子は現場を目撃したアルバート・ブラックウェルさんが動画で撮影し、SNS(交流サイト)に投稿して広がった。ブラックウェルさんが同市西部で撮影した動画には道路が突然隆起し、1台の車が空中に跳ね上がる様子が写っていた。ブラックウェルさんはSNSに「突然道路が爆発するように18インチ(約46センチ)以上隆起し、車1台が空中に跳ね上がった」と伝えた。
ケープジラードー警察はこの事故による負傷者は出ていないと伝えているが、ケープジラードー市当局によると、現地を含む2カ所の道路で同じ現象が発生したという。ケープジラードー市は「気温はさらに高くなると予想されているので、同じような現象はさらに増えるかもしれない」と注意を呼びかけた。
専門家はこれらの現象を「ブローアップ」と呼んでいる。ブローアップとは猛暑の影響でアスファルトやコンクリート道路の路面が膨張し、構造的に圧力に耐えられず突然隆起する現象だ。これは主に体感温度が40度前後の高温時に発生する。ミズーリ州交通局(MoDOT)は「道路の亀裂に水分などが染み込んで亀裂が大きくなるとこのような現象が発生する」「舗装された道路が亀裂で劣化し、熱でその道路がゆがんでしまう」と説明した。
米国立気象局(NWS)は米東部沿岸の約3分の1の地域に高温警報と注意報を発令した。またインディアナ州北部やオハイオ州北西部など米中西部一帯でも高温警報が出ている。高温警報の影響を受ける人口は約1億6000万人に達するという。アトランタ、ボストン、シャーロット、フィラデルフィア、ローリーなど東部の主要都市でも37.8度以上の高温を記録した。ニューヨーク・マンハッタンでは6月24日に37.2度にまで気温が上昇し、2012年7月18日以来13年ぶりに最も高い気温を記録した。
猛暑による被害も相次いでいる。ミズーリ州セントアンでは停電が発生した住宅で55歳女性が遺体で発見された。ワシントン国立公園局はワシントン記念塔を24-25日に閉鎖した。ボルチモアではエアコンがないアムトラックの列車がトンネル内で停止する事故が発生した。
米国各地で猛暑が発生している理由は中西部で発生したヒートドーム(高気圧が停滞して熱い空気を特定の地域に閉じ込める現象)が東部に移動し、地表を熱くしているからだ。夏のヒートドーム現象は米南部や南西部でたびたび発生するが、初夏の6月に東部で猛暑の原因となるヒートドームが発生するのは珍しい。気象学者は「このヒートドームは南に移動し、週末ごろには完全に消滅するだろう」と予想している。
イ・ヘジン記者