検察改編の圧力で…任期2年の沈雨廷・検察総長、わずか9カ月で辞任

任期2年の沈雨廷総長、わずか9カ月で辞任…「結論を先に決めて検察改編を実施すれば副作用」

検察幹部は相次いで辞意…法務部、当日すぐに後続の人事を断行

 沈雨廷(シム・ウジョン)検察総長(54)=検事総長に相当=が1日、辞任する意向を明らかにした。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権時代の昨年9月に就任してから、任期(2年)の半分にもならないわずか9カ月で退くというのだ。これで沈総長は、1988年の任期制導入後に中途で辞任した16人目の検察総長になる。

【図】共に民主の検察改編案

 沈総長は1日午後、声明文を通して「幾つかの状況を考慮すると、今、職を辞するのが自分の最後の責任を尽くすことだと判断した」と表明した。李在明(イ・ジェミョン)大統領が進歩(革新)系与党「共に民主党」所属の鄭成湖(チョン・ソンホ)議員を法務部(省に相当)長官候補に指名するなど、捜査・起訴分離を骨子とする検察改編の準備を進めていることを受け、沈総長は辞職を決意したといわれている。沈総長は今年3月、裁判所の尹・前大統領勾留取り消し決定に関連して直ちに抗告せず、現与党から退陣圧力を受けてきた。沈総長は、こうした状況でポストを守り続けた場合、「検察解体」を主張する与党強硬派に攻撃の口実を与えかねないとみて退陣を決意したといわれている。

 これに関連して沈総長は、声明文で「刑事司法制度は国民の基本権と直結する問題」だとし「(現与党の検察改編が)時限や結論を決めた状態で推進される場合、予想外の副作用が生じかねない」と述べた。その上で沈総長は「学界、実務専門家などさまざまな意見を十分に聞き、踏み込んだ議論を経て、国民のための刑事司法制度を作るべき」と求めた。

 李在明大統領は、沈総長が辞任の意向を明らかにした後、検察幹部の交代人事を行った。沈総長の辞任に伴って検察総長職務代行を務める大検察庁(最高検)次長には盧万錫(ノ・マンソク)大検察庁麻薬・組織犯罪部長(55歳、司法研修院29期)が任命された。韓国最大の検察庁であるソウル中央地検の検事長には鄭鎮宇(チョン・ジンウ)ソウル北部地検長(53歳、29期)が、検察の予算・人事を総括する法務部検察局長には成尚憲(ソン・サンホン)大田地検長(52歳、30期)が抜てきされた。林恩貞(イム・ウンジョン)大田地検部長検事(51歳、30期)と金泰勲(キム・テフン)ソウル高検検事(54歳、30期)はそれぞれソウル東部地検長、ソウル南部地検長への昇進発令を受けた。

キム・ヒレ記者

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  • ▲沈雨廷・検察総長/写真=ニュース1

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