李大統領は、大統領選挙候補時代の今年5月、関税交渉について「われわれが真っ先に乗り出して、急いで交渉を早期妥結させる必要はないだろう」と発言した。現在も韓国政府は「交渉が長引くほど米国の足場は狭まる」と判断しているという。しかし韓米首脳会談が遅延している状況で米国が在韓米軍の再調整などに着手したら、李在明政権の安全保障面・政治面での負担も大きくなることは避けられない。大統領室も、これを認識していると伝えられている。
トランプ大統領の第2期の任期が始まった後、これまでホワイトハウスで会談したり会談する予定になっていたりする各国首脳、および中東3カ国歴訪時に会談した首脳、2度の多国間首脳会議(G7=先進7カ国・NATO=北大西洋条約機構)出席時に会った首脳を合わせると、軽く30人を超えるものとみられる。トランプ大統領は9日(現地時間)にアフリカ5カ国(ガボン、ギニアビサウ、モーリタニア、リベリア、セネガル)の首脳とも会談する予定だ。アフリカ北部・西部に位置するこれらの国々はマンガン、ウラニウム、ボーキサイトなど鉱物資源が豊富なことで知られている。
複数の専門家が、トランプ大統領の関心事である造船協力と国防費増額など幾つかの懸案を一挙にテーブルに乗せ、韓米首脳会談を実現させようとする努力を強化すべきだと考えている。朴元坤(パク・ウォンゴン)梨花女子大教授は「トランプ大統領は経済と安全保障を関連付ける考えが明らだが、李在明大統領がどれほど米国の対中けん制や安保戦略に関与するのか確認されていない状態」だとし「両国首脳が会って通商・安保全般の談判をする必要がある」と語った。
ただし、首脳会談そのものが関税問題の解法ではない、という指摘もある。石破茂首相はトランプ大統領とたびたび会談や電話会談を行った。しかし「トランプ書簡」で日本に対する米国の相互関税は、従来の24%から25%へと1ポイント上がった。世宗研究所の金顕或(キム・ヒョンウク)所長は「関税交渉関連の細部事項がある程度解決した後に首脳会談をするのがよい」とし「解決したものがない状態で会ったら、トランプ大統領がまた雑音を立てる可能性がある」と語った。
パク・サンギ記者、鄭智燮(チョン・ジソプ)記者