李在明(イ・ジェミョン)大統領は8日の国務会議(閣議)で、李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員会委員長に向かって「非公開会議の内容を歪曲(わいきょく)して個人の政治に利用してはならない」と警告メッセージを発した。
大統領室の姜由楨(カン・ユジョン)報道官は同日、閣議終了後の記者会見で、「(李大統領が)出席者に『閣議は国政を論じる場なので、非公開会議の内容を歪曲して個人の政治に利用してはならない』と強い口調で叱責(しっせき)した」と明らかにした。非公開会議で大統領が特定の人物を叱責したことについて、大統領室がメディアに公表するのは異例のことだ。
姜報道官は、李大統領が警告した人物が誰なのかには言及しなかった。だが、閣議出席者によると、李大統領のこの発言は、李委員長が意見を述べようとした際、これを阻止する過程で飛び出したとのことだ。李大統領が閣議を締めくくる発言をしていた最中に、李委員長が発言をしようとしたものの、李大統領は「発言するな」と阻止したというのだ。李大統領はさらに、「私は『(放送通信委員会法に関する)意見を出せ』と言ったのだ。『指示をした』といつ言ったというのか」「なぜ非公開会議の内容を歪曲して自分の政治に利用するのか」と問い詰めたという。
李委員長は前日の7日、国会科学技術情報放送通信委員会の全体会議で、放送3法と関連して「大統領は『放送掌握・メディア掌握をするつもりはないので、放送通信委員会で委員会案を作ってみろ』と指示をした」と述べた。これを受けて、政界で「放送法に対する李大統領の意中は何か」と騒ぎになったため、李大統領が「指示をしたことはない」ととがめたものとみられる。李委員長は結局、意見を述べられなかったということだ。
李委員長は以前、国会の弾劾訴追により職務停止された状態の時に動画共有サイト「ユーチューブ」のチャンネルに出て、「共に民主党や左派集団は想像可能な限りのあらゆることをやる集団だ」などの発言をしたことに関連し、監査院から公務員の政治的中立義務違反で注意処分を受けた。これについて、与党・共に民主党の党代表選挙に出馬する朴賛大(パク・チャンデ)議員は「李委員長は自ら進退を整理しろ」と批判した。
チュ・ヒヨン記者