「平壌への無人機潜入作戦、昨年10月に韓国軍ドローン司令部が実施」「合同参謀本部にも報告済み」【独自】

 昨年6月、当時の尹大統領は顕忠日の記念演説で、汚物風船挑発を念頭に置いて「政府は北朝鮮の脅しを決して座視しないだろう」と述べた。だが合参指揮部は、対応作戦に関して慎重な姿勢を維持した。南北の緊張が衝突につながることを防ごうと、状況管理に力を入れた。すると民主党などからも、汚物風船の自由落下を待つという軍の対応は微温的だとして、休戦ライン上空で風船を撃墜すべきではないかという主張が出た。

 こうした中、昨年10月に、当時の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防長官は「北朝鮮は限界線を越えている。さまざまな対応を準備中」と述べた。こうした状況でドローン司の平壌無人機潜入作戦が進められたのだ。これに関連して金明秀(キム・ミョンス)合参議長は今年1月、国会の国政調査で、無人機作戦について「確認はできない」としつつも、北の挑発を誘導しようとしたとの外患疑惑については「そのように準備したり計画したり、そういう状況を持っていることは絶対にない」と断言した。

 特別検察官は、ドローン司に無人機潜入作戦を指示した最終決定権者が誰なのか捜査するだろうと考えられている。韓国軍内外では「金竜顕長官→金明秀合参議長→イ・スンオ合参作戦本部長」を経てドローン司に指示が下った可能性と、金長官が合参議長と作戦本部長を飛び越えてドローン司に直接指示を下した可能性を巡って、食い違った証言が出ている。

 韓国軍関係者は「対北無人機潜入作戦を一線の司令部が単独で実行することはできない」とし「ドローン司が合参や国防部へ事前に報告するなど、作戦計画の段階からコミュニケーションを取っていたと思う」と語った。逆に、別の韓国軍消息筋は「無人機潜入作戦の指示は金・前長官が直接ドローン司に下し、イ・スンオ作戦本部長はドローン司の作戦結果を事後に報告されたと理解している」と語った。特別検察官は一部の合参関係者を取り調べたが、これらの関係者も「ドローン潜入計画の樹立段階では作戦を知らなかった」と供述したと伝えられている。なお、金・前長官側は「追って立場を明らかにしたい」と述べ、イ本部長は本紙の問い合わせに回答しなかった。

兪鍾軒(ユ・ジョンホン)記者、オ・ユジン記者

【写真】平壌への無人機潜入作戦に投入されたとみられる韓国軍無人機

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