また、HYBEは投資家が私募ファンドに同社株式を譲渡した時期に、上場に向けた必須手続きである監査人指定を金融当局に申請するなど上場準備を行っていたことが分かった。HYBEが上場に向け金融当局に提出した証券申告書には、パン議長と私募ファンドの間で結ばれていた契約は記載されていなかった。そのため、既存株主が被害を受けたと推定されるという。
金融当局関係者は「パン議長のように大株主が証券市場で大量に株式を売却すること場合、個人投資家が被害を受けないようにするためのロックアップ期間(大株主や社員などに上場後一定期間株式の売却を禁止すること)が設けられるため、それを回避しようと私募ファンドを使ったとみられる」と話した。
パン議長は最近、金融監督院の聴取に対し、一連の取引に法的な問題はないという立場を示したという。しかし、金融監督院はパン議長の行為について、法令で予想できなかった新たな形態の不公正取引を規制できるよう定めた資本市場法178条に反すると判断。検察への告発が必要だする意見を金融委に提出した。金融委傘下の証券先物委の審議機構である資本市場調査審議委もそれを受け入れたという。金融当局関係者は「パン議長に関連する私募ファンドが市場に株式を放出して株価が下落し、一般投資家も少なからぬ被害を受けた。HYBE幹部まで動員され、組織的に行われた市場かく乱行為であり、有罪判決が出る可能性が高いとみている」と語った。
金融当局がパン議長に最高レベルの制裁を下すのは、李在明政権の発足とも無関係ではない。李大統領は大統領選の選挙運動期間中から株価操作、相場操作について、「一度でも摘発されれば、市場から永久追放する」というワンストライクアウト制を公約し、先月の大統領就任後も真っ先に韓国取引所を訪問し、そうした意向を再確認した経緯がある。
郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者
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