「不適切な公職綱紀の緩み」「発言資格なし」 韓国大統領室、李真淑・放送通信委員長を閣議から排除

 韓国大統領室は9日、「李在明(イ・ジェミョン)大統領が今後行われる国務会議(閣議)に李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員会委員長を陪席させないことに決めた」と発表した。大統領室の姜由楨(カン・ユジョン)報道官は「姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長が李大統領に『李委員長の閣議陪席は不適切だ』という意見を伝え、(閣議排除)決定が下された」と説明した。

 李委員長は7日の国会科学技術情報放送通信委員会に出席した際、「(『放送3法』と関連し、)大統領に放送通信委員会案を作ってみよと『指示』を受けた」と述べた。同日の科学技術情報通信委員会では、与党・共に民主党主導で放送3法を処理する予定だったが、李大統領がこれより先に行われた閣議で放送通信委員会案を作ってみよと言ったと主張したものだ。すると、李大統領は今月8日の閣議で、李委員長に「私は『(放送通信委員会法に関する)意見を出せ』と言ったのだ。『指示をした』といつ言ったというのか」「なぜ非公開会議の内容を歪曲(わいきょく)して自分の政治に利用するのか」と指摘したという。

 大統領室は、李委員長が動画共有サイト「ユーチューブ」のチャンネルに出て政治的に偏向した発言をし、監査院から注意処分を受けたことも指摘した。大統領室は、李委員長は現行法令上、閣議の必須出席者ではないとした上で、「陪席しないようにするのは閣議を主宰する議長の権限だ」と述べた。

 大統領室が「李真淑委員長の閣議排除」を発表する直前にも、大統領室と李委員長の衝突があった。李委員長は9日午前、交流サイト(SNS)の自身のアカウントに「指示したことと意見を尋ねたことにどんな違いがあるのか分からない」と投稿し、国会で共に民主党議員が意見を尋ねてきたので、機関のトップとして答えるしかなかったという内容の文を掲載した。

 これについて、姜由楨報道官は午前の記者会見で、「指示と意見の開陳が混乱するのであれば、閣議に出席して発言する資格はないと個人的に考えている」と述べ、午後に「李真淑委員長の閣議排除」を発表した。大統領室関係者は「李委員長の閣議発言やSNS掲載文は一線を越えている。公職綱紀の緩みだ」と語った。

 李委員長は閣議排除決定に「個人的に非常に残念だ」とし、与党の辞任要求に対しては「来年8月までの任期を全うする」と話している。李委員長が最近、李大統領や与党と相次いで衝突していることについては、野党からも「政治的意図がある」という声が上がっている。

パク・サンギ記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員会委員長

right

あわせて読みたい