戦時作戦統制権の移管問題 韓国政府が米国と実務協議を開始【独自】

在韓米軍の再編成についても実務協議が始まる
通商問題や防衛費問題とは別途
韓国政府「米国も決して否定的ではない」
NSCで李在明大統領に報告

 韓国政府と米国政府が通商問題や防衛費を巡る交渉とは別に戦時作戦統制権の移管問題について協議を行っていることが10日までに分かった。この問題を巡る今回の協議は過去とは違い、在韓米軍の規模や構成を変更する問題と関連付けられている。これらの点も含め韓米両国はすでに実務協議を開始したという。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は同日、現政権発足後最初の国家安全保障会議(NSC)全体会議を招集した。李在明大統領は安全保障問題の懸案を確認すると同時に、統制権移管問題について韓国国防部(省に相当)から報告を受けたという。

 韓国政府のある高官は同日、本紙の取材に「統制権移管問題は政府として推進するイシュー(問題)であり、米国も決して否定的ではない」とする一方「通商交渉における主要なテーマではない」と伝えた。この高官は統制権移管について「韓米両国は同じ考えだ」「両国が粛々と進めるイシューだ」とも説明した。米国のトランプ政権は中国けん制に集中するため韓国に統制権を移管し、在韓米軍の規模や地位、構成を見直す構想を進めている。李在明大統領も統制権移管を選挙公約として掲げていた。

 韓国大統領府の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安全保障室長は6-8日にワシントンを訪問した際、ルビオ国務長官兼国家安全保障補佐官と会談し、通商や防衛などの懸案について意見交換した。別の韓国政府当局者は「統制権移管問題は魏聖洛室長とルビオ国務長官の会談では議題にならず、別の窓口を通じて韓米間で協議中だと聞いた」と伝えた。

 今のトランプ政権の雰囲気から考えると統制権移管は在韓米軍の調整や削減とも直結することから、実現した場合は大きな影響が予想される。そのため韓国政府もこの点を強く意識しているという。これについて上記の韓国政府当局者は「今後協議が必要な難題だ」と認め、移管の時期については「複雑な事情が数多くあるため、慎重に取り扱わねばならない」と説明した。

 一方で李在明大統領は今回のNSCで「断絶した南北関係を復元するための努力が必要だ」「南北による平和と共存は韓国の安全保障のために最も現実的かつ実用的な選択肢だ」と発言したという。韓国大統領府が伝えた。

金真明(キム・ジンミョン)記者

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