韓国小中高の部活動、14年間2261校消滅…少子化だけではない理由とは

 部活を運営するある高校の校長は「部活の生徒たちは練習や大会参加のため、よく授業を欠席するが、学業習得のための雰囲気づくりにふさわしくないのは事実」とし「生徒たちの間で争い事があったり、監督の不正疑惑がうわさされたりすれば、学校が責任を負わなければならないため、いっそのこと部活をなくしてしまおうといった雰囲気」と話す。

 非人気種目の場合、新入生募集が難航し、解散に追い込まれることもある。天下壮士(日本の横綱に相当)のキム・ジンやユン・ジョンスなどを輩出した40年の伝統を誇る仁川市の富開小学校シルム(韓国式相撲)部は昨年解散した。シルムの人気が衰え、新入部員が入ってこなくなったことで、自然消滅したわけだ。新入部員の募集が難航する学校は、他地域の生徒たちを受け入れて団体合宿させ、部活を維持している。ところが選手たちの実際の居住地と住民登録先が異なっていることから、「不法偽装転入」で教育庁に摘発されるなどの問題もしばしば生じている。最近、サッカー部の解散を巡り話し合ったある高校でも、偽装転入が摘発されたことで学校側が不利益を被ることになる、との懸念が大きな影響を与えたという。

 突然部活を解散することで、プロを目指していた生徒たちの未来が閉ざされるという不満の声も上がっている。韓国のスポーツ界をリードしていくエリート選手の輩出にも支障を来しかねない。昨年のパリ五輪で韓国は団体球技のうち、女子ハンドボールを除いては全て予選落ちし、「球技種目の没落」という見出しが紙面を飾った。通常、本選に進出する球技種目は6-7種だが、昨年は1種目にとどまったのだ。体育会系では「少子化に伴う選手の減少が本格的に始まった」という話も聞かれる。こうした状況で、部活が相次いで解散することになれば、若いエリート選手たちはさらに減り、今後国際大会での入賞はさらに困難となることが予想される。

 漢陽大学未来人材教育院のイ・ジョンホン教授は「各学校の負担を減らしながら、エリート選手を引き続き育成するためには、教育当局が地域別拠点型スポーツクラブの運営を活性化することで、今後も選手を輩出していかなければならない」と力説する。

キム・ミンギ記者

【写真】授業中にラーメン食べながらライブ配信する男子中学生

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲グラフィック=キム・ソンギュ

right

あわせて読みたい