11大会連続となるW杯本選出場を果たしたものの、代表監督選任に不公正な過程があったのではないかという疑惑が浮上し、サッカーファンから批判されている洪明甫監督は、この日の敗戦がさらに大きな痛手となった。ホームで行われたE-1選手権で優勝をもたらしたなら、あと約1年残っている北中米W杯まで韓国代表チームを安定した状態でけん引する基盤を築くことができたはずだった。ところが、日本に無気力な負け方をして、その立場は再び揺らぐことになった。洪明甫監督はFIFAが定めたAマッチ期間ではないため欧州組が選出できない今大会でニューフェイスを発掘し、中央にDFを3人置く3バック戦術を稼動させるなど、さまざまな実験を試みたものの、満足な結果を得ることができなかった。
この日の試合はKリーガーとJリーガーのプライド対決でもあった。韓国はJリーグ・FC町田ゼルビアでプレーしている羅相浩(ナ・サンホ)を除き、スタメンは全員Kリーガーだった。日本はエントリー全員がJリーガーだ。前半8分、左サイドから相馬勇紀が右足で上げたクロスをジャーメイン良が絶妙な左足ボレーシュートでたたき、ゴールを決めた。韓国のDF陣がほんの一瞬、ジャーメイン良を逃した場面だった。ジャーメイン良は今大会で5ゴールを決めるなど、優れたゴール決定力をアピールした。
洪明甫監督は組織的なプレーで相手DFを突破できなかったため、後半、李昊宰(イ・ホジェ)に続いて呉世勲(オ・セフン)まで投入し、制空権を生かす戦術を展開した。後半39分、呉世勲がヘッドで落としたボールを李昊宰が横っ飛びになってシュートしたが、GK大迫敬介が好セーブした。この日、韓国代表チーム唯一の有効シュートだった。韓国はコーナーキックを11本も得たが、単調なキックで決定的なチャンスをつかむことはできなかった。洪明甫監督は完敗だったのにもかかわらず、「全体的に見て我々の方がよくやった試合だった。日本は自分たちの強みを発揮できなかった」と評した。
張珉錫(チャン・ミンソク)記者