ホーム > 社会 > 社会総合 print list prev

「夜間勤務92時間で月給70万円」 韓国の清掃員、勤続11年目の給与明細が話題に

 最近、インターネットのコミュニティーサイトに勤続11年目の環境美化員(清掃員)の給与明細が投稿されて話題になっている。各種税金や保険料を差し引いても542万7290ウォン(約58万円)、税引き前の金額は652万9930ウォン(約69万6000円)という内容だ。基本給250万7970ウォンのほか、期末手当(3カ月ごとの手当て、130万3980ウォン)、運転手当(30万ウォン)、家族手当(16万ウォン)、公害手当(10万ウォン)などが含まれている。

【男性36.9歳・年収810万円 女性33.9歳・521万円】韓国初婚夫婦3774人の「標準」

 ただし夜間勤務が92時間、休日勤務が2日、時間外勤務が19時間だった。これによる追加手当は212万5980ウォンだった。

 この給与明細が本物かどうかは確認されていないが、現職の環境美化員たちは「仕事が集中するときは夜間勤務がそのぐらいの時間になることもある。あり得ない金額ではない」と話した。ネット上では「仕事の苦労に比べたら給料が多いとは言えない」「手取り額だけ見て大企業レベルだと思ったが、夜間勤務92時間には衝撃を受けた」との反応が見られた。

 ソウル市が13日に明らかにしたところによると、ソウル市内の25の区では「環境公務員」という名前で環境美化員を採用している。区に所属する無期契約職の労働者だ。

 道路や公衆トイレの清掃、リサイクルごみの収集などを担当している。ソウル市だけで2580人の環境美化員がいる。

 給与は公務員と同様に号俸制となっており、1号俸から30号俸まで定められている。2025年現在、1号俸の基本給は月額188万8840ウォン(税引き前)だ。

 ここに家族手当、期末手当、体力鍛錬費、運転手当、公害手当、危険手当などが追加される。地方の場合はこれよりも少ない。

 労働組合もあり、毎年地方自治体と賃金交渉を実施する。

 労働時間は週40時間、1日8時間が原則だ。早朝から仕事を始めるため、仕事が夜間に及ぶことは比較的少ない。その代わり早く退勤する。ソウル市の関係者は「平均的に月40時間ほど夜間に勤務しているが、夜にイベントが多ければそれ以上に夜間勤務が増えることもある」と説明した。

 採用倍率はかなり高い。昨年12月にソウル市恩平区が環境美化員10人を募集したところ、50人以上が応募した。ソウル市生活環境課のイ・グィヨン課長は「環境公務職は労働条件がいいといううわさが広まり、最近は若い人たちも殺到している」と話した。

 ただし全て地域で環境美化員の仕事が人気を集めているわけではない。地方自治体の事情によって環境美化の業務を別の業者に依頼するケースもある。民間の業者に所属する環境美化員の給与は、自治体所属の環境美化員に比べ3分の2程度だという。

キム・ミョンジン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲豪雨に見舞われたソウル市西大門区で歩道を清掃する環境美化員。6月16日撮影。/聯合ニュース

right

あわせて読みたい