韓国国家情報院が金大中(キム・デジュン)政権・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に使用していた「情報は国力だ」という「院訓」を復元したことを17日に発表した。1998年の金大中大統領=当時=の直筆を元に、長さ5.6メートル、高さ2.7メートル、厚さ1メートルの花こう岩で作られた院訓の石碑はこれまで院内に保管されていたが、これを再び取り出して設置したということだ。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の3年間、国家情報院は1961年の韓国中央情報部(KCIA)創設当時に制定された「我々は陰地(日の当たらない所)で働き、陽地(日の当たる所)を志向する」という院訓を使用していた。
【写真】新旧院訓「情報は国力だ」「我々は陰地で働き、陽地を志向する」
17日に行われた院訓の石碑の除幕式には、新たに就任した李鍾ソク(イ・ジョンソク)国家情報院長と職員代表、元国家情報院職員の集まり「陽地会」のチャン・ジョンハン会長が出席した。李鍾ソク院長は除幕式で、「この院訓を再び出した理由は明白だ。情報支援で安保と国益を支える国家情報院の責務と役割がこの院訓の中に全て含まれている」と述べた。
国家情報院の院訓および院訓の石碑は、今回まで計6回変更されてきた。韓国中央情報部から国家安全企画部までの1961-98年は「我々は陰地で働き、陽地を志向する」を院訓としていた。1998年に発足した金大中政権が1999年1月に国家安全企画部を国家情報院に改編した際、院訓も「情報は国力だ」に変わり、これを盧武鉉政権まで使用していた。
李明博(イ・ミョンバク)政権は「自由と真理に向けた無名の献身」を、朴槿恵(パク・クンヘ)政権は「音(または声)のない献身、ひたすら大韓民国の守護と栄光のために」を院訓として掲げた。文在寅(ムン・ジェイン)政権は「国家と国民のための限りない忠誠と献身」を院訓と定め、これを「(大学教授・思想家・作家の)申栄福(シン・ヨンボク)氏の書体」で院訓の石碑に刻んだ。しかし、尹錫悦政権は国家保安法違反で処罰された申栄福氏の字を国家情報院の院訓の石碑に書くのは不適切だという理由から、韓国中央情報部・国家安全企画部時代の院訓に戻した。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者