圧倒される韓国サッカー、日本スポーツ界にはなぜ海外ルーツのスター選手が多いのか

 16日に終了したE-1サッカー選手権(旧称:東アジア・カップ)は、男子日本代表のジャーメイン良(30)=サンフレッチェ広島=の独壇場だった。182センチの長身を武器に相手DF陣をほんろうし、韓日戦での決勝ゴールを含め5ゴールをたたき出してMVP(最優秀選手)まで受賞した。ジャーメイン良は肌が黒く髪は縮れている。海外からの国籍変更選手に見えるが、日本で生まれ日本で育ったれっきとした日本人だ。米国人の父親と日本人の母親の間に生まれたハーフということになる。今回のE-1選手権で、日本代表にはジャーメイン良をはじめ、GKのピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾 (19)=名古屋グランパス=、DFの望月ヘンリー海輝(23)=町田ゼルビア=らハーフの選手3人が名を連ねた。カナダ系のピサノ(197センチ)とアフリカ系の望月(192センチ)は、相対的に小柄な日本選手の間でひときわ目立つ存在だった。

【グラフィック】海外にルーツを持つ日本のスポーツスター

■MLBのダルビッシュもハーフ

 海外にルーツを持つ選手の活躍は、日本のスポーツ界では珍しいことではない。米プロ野球(MLB)サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手(38)は、イラン人の父親から受け継いだ屈強な体で剛速球を繰り出し、高校時代から注目を集めていた。日本の舞台で活躍した後にメジャーに渡って5度もオールスターに選ばれたスーパースターだ。また、アジア人として初めてテニスの全豪オープンや全米オープンなど4大大会で4度の優勝を果たした大坂なおみ(27)もハイチ出身の父親を持つ。最近では日本テニス界の有望株のほとんどが大坂をロールモデルにするなど、日本にテニスブームを起こした立役者とされている。他にも米プロバスケットボール(NBA)の名門ロサンゼルス・レイカーズのフォワード八村塁(27)など、2010年代後半から、日本が誇る世界的なスポーツスターには海外ルーツの選手が非常に多い。

■激しいハーフ選手の獲得合戦

 日本でハーフのスポーツ選手の活躍が目立ってきた理由は何だろうか。まずは、日本はハーフの人口そのものが多い。厚生労働省の最新集計によると、日本の全人口(約1億2500万人)のうち2%がハーフだ。日本が目覚ましい経済成長を遂げていた1980年代前後に経済・産業の分野を中心に海外との交流が活発になり、移住者の流入が本格化した影響だ。

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