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■情報流出が多い20代の被害者急増

 これまで韓国のボイスフィッシング犯罪の主なターゲットは50~70代の中高年だった。警察庁によると、今年上半期に発生したボイスフィッシング犯罪1万2339件のうち47.6%が50~60代の被害者だった。他の年齢層と比較して資産が多い一方、最新の金融詐欺に対する情報が不足しているため、ボイスフィッシング組織の主な標的になってきた。

 最近は50代の被害者が大幅に減少している。50代が過去に比べてインターネット技術などに親しむようになったためだと分析されている。代わりに60代と20代以下の被害割合が急増している。今年上半期、20代以下のボイスフィッシング詐欺被害者の割合は23.9%で、最も被害が多い年代である60代(25.6%)に続いた。東国大警察行政学科の李潤鎬(イ・ユンホ)教授は「ソーシャルメディアなどデジタル活動が活発な青年層が新たな犯罪ターゲットに浮上している」と話した。

 ボイスフィッシングの発生件数は2020~21年の年間3万件余りから22年以降は同2万件余りに減った。警察はこうした傾向をボイスフィッシング犯罪の「専門化」の結果と見ている。流出した個人情報を活用した社会工学的な手口が次第に発達し、先端IT技術を活用する手口も増え、1人当たりの被害額が増えた格好だ。警察庁の朴星柱(パク・ソンジュ)国家捜査本部長は「ボイスフィッシングが疑われる場合、警察がすぐに金融機関に連絡し、送金をあらかじめ遮断し、後から解除できるよう法整備を推進する」と話した。

■ボイスフィッシングとは

 「声(voice)」と「奪い取る(phishing)」を組み合わせた言葉で、電話などで捜査機関や金融機関の関係者を詐称し、個人情報を盗み出したり、金銭を詐取したりする詐欺手法。最近はAIで映像や声を偽造・変造するディープフェイク、ディープボイス技術など手口がますます高度化している。

安相炫(アン・サンヒョン)記者、イ・ギウ記者

【世代別】ボイスフィッシング詐欺被害者数の推移

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