中国が15年ぶりに輸出体系見直し、戦略鉱物2千品目規制で米関税に対抗【独自】

 中国が規制しようとしている鉱物の数は、強化後の国家指針で急増した。商務省は輸出規制リストに明示された品目の「派生品目」についても輸出の可否を再検討しているところだ。航空用電気モーターに使われるサマリウムの場合、直接・間接的に関連部品と化合物の品目(HSコード基準)が200個を超える。それら品目が輸出可能かどうか商務省から回答を受けなければ、輸出ができない状況だ。

 中国がレアアースなどの輸出を制限すると、米自動車大手フォードは今年5月、一時的に自動車生産を中断した。レアアース磁石はワイパーモーターから制動装置に至るまで、ほとんどの主要部品に使われる。防衛産業メーカーのロッキード・マーチンによる戦闘機生産も同じ理由で支障が出た。世界で自動車サプライチェーンの一部がまひし、トランプ米大統領が中国との交渉に乗り出し、レアアース輸出禁止を6カ月にわたり一時解除することで合意した。

 中国は自国産の鉱物を厳しく規制する中、ニッケル、リチウム、コバルト、銅などの戦略鉱物を大量に調達し、国家備蓄量を拡大している。フィナンシャルタイムズによると、中国は昨年12月以降、現在まで国家備蓄用としてニッケル10万トンを購入した。例年の備蓄量は年6万~10万トンだったが、今年はニッケル備蓄量を従来の2倍に増やす可能性もある。調査業者ベンチマークによると、今後10年間、アフリカで採掘されるリチウムの90%は中国企業が所有または出資する鉱山が生産するとみられる。

 専門家は中国がレアアース輸出を完全に遮断する可能性は低いとみている。米国だけでなく韓国、日本、欧州など主要国の反発を招き、国際的圧力を招く恐れがあるためだ。韓国は鉱物需要の約95%を輸入に依存しており、主力産業である半導体、EVに使われる黒鉛(対中依存度97%)、リチウム(84%)、ゲルマニウム(74%)など主な鉱物を中国に依存している。中国の鉱物サプライチェーン再構築が韓国の産業界に直ちに影響を及ぼすことは避けられない。中国の鉱物規制強化が自滅を招くという警告も出ている。ウォールストリート・ジャーナルのボブ・デービス元北京支局長は「中国が圧力をかければかけるほど、他国のレアアース採掘・生産を刺激することになるため、長期的には中国にとって損失になる」と指摘した。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

【表】「戦略鉱物」輸出体系見直しの内容

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 中国が15年ぶりに輸出体系見直し、戦略鉱物2千品目規制で米関税に対抗【独自】
  • 中国が15年ぶりに輸出体系見直し、戦略鉱物2千品目規制で米関税に対抗【独自】

right

あわせて読みたい