尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が「勾留を取り消してほしい」として出した勾留適否審査を、18日に裁判所が棄却した。尹・前大統領は自ら審問に出席し、「健康問題のせいで勾留生活は耐え難い」と訴えたが、聞き入れられなかった。
ソウル中央地裁刑事控訴9-2部(裁判長:柳昌成〈リュ・チャンソン〉部長判事)は18日午前10時15分から午後4時15分まで、尹・前大統領の勾留適否審査の審問を開き、審問終了からおよそ4時間後の午後8時25分ごろに「この事件請求は理由がないと認められる」として棄却決定を下した。
この日の審問に、尹・前大統領側からは金洪一(キム・ホンイル)、裵輔允(ペ・ボユン)、宋振昊(ソン・ジンホ)、蔡明星(チェ・ミョンソン)、崔志宇(チェ・ジウ)、金桂利(キム・ゲリ)、ユ・ジョンファ弁護士が出席し、内乱特別検察官(特検)側からは朴億洙(パク・オクス)特別検察官補とチョ・ジェチョル部長検事など5人が出席した。
尹・前大統領は審問の最後におよそ30分間、健康状態を自ら説明しつつ釈放を訴えたと伝えられている。尹・前大統領は「独房に収監された後、糖尿の合併症や気力低下などで食事と運動に困難を感じている」と主張した。また「血液検査の結果、肝臓の数値が正常の水準より5倍ほど高い」とし、関連の検査資料も提出した。さらに尹・前大統領は「今、私のために証拠を隠滅してくれる人がいるだろうか」と述べて証拠隠滅の恐れはないと強調したという。
尹・前大統領側の弁護人団もおよそ2時間にわたり、140ページ分ほどのプレゼンテーション資料を用いて、犯罪容疑が疎明されていないことなどを強調したと伝えられている。特に、勾留状に適示された各容疑は既に裁判中の内乱容疑に含まれており、再勾留制限事由に該当するとも主張した。
これに対抗して特検側は、およそ100ページ分のプレゼン資料を用い、証拠隠滅の恐れがあって勾留を維持すべきと主張した。また、勾留状に記載された容疑は内乱行為が終了した後に別途に起きた犯罪であって、再勾留の制限事由に該当しないとした。特検側は「尹・前大統領の挙動に問題はない」というソウル拘置所の答弁も裁判部に提出した。
尹・前大統領は裁判所内に別途設けられた休憩空間で1時間ほど1人で昼食を摂り、審問が終了した後、再びソウル拘置所に移動して結果を待った。裁判所が棄却決定を下したことで、勾留状態は維持されることになった。
兪鍾軒(ユ・ジョンホン)記者