【TV朝鮮】(アンカー)
およそ100人の市民が、非常戒厳で精神的被害に遭ったとして尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を相手取って損害賠償請求訴訟を起こし、一審で勝訴しました。訴訟を起こした原告の中には、海兵隊特別検察官補も含まれていました。ハン・ジウン記者のリポートです。
(記者リポート)
非常戒厳宣布から1週間後の昨年12月10日、およそ100人の市民が尹錫悦・前大統領を相手取り、非常戒厳宣布で精神的被害を受けたとして損害賠償請求訴訟を起こしました。
(尹錫悦/前大統領〈昨年12月3日〉)
「破廉恥な従北・反国家勢力らを一挙に剔抉(てっけつ。えぐり出すこと)して自由憲政秩序を守るため、非常戒厳を宣布します」
一審を担当したソウル中央地裁の李誠馥(イ・ソンボク)部長判事は、尹・前大統領が「国民の自由と人間の尊厳性を保障すべき任務に背き、原告らが精神的苦痛を受けた」として、一人当たり10万ウォン(約1万700ウォン)ずつ賠償せよとの判決を下しました。
今回の集団訴訟の参加者らを募集した李錦揆(イ・グムギュ)弁護士は、海兵隊員特別検察官補に任命されて弁護人団からは抜けましたが、原告としては引き続き参加しました。
法曹界からは、捜査中の被疑者を相手取って民事訴訟を起こすことは不適切だという指摘が出ています。
これについて李特別検察官補は「私も国民の一人」だとし、「原告として訴えを取り下げる理由はない」と反論しました。
まだ一審判決なので、控訴審などで覆される可能性もありますが、尹・前大統領に対する集団訴訟が相次ぐこともあり得るという見方が出ています。TV朝鮮、ハン・ジウンがお伝えしました。
(2025年7月25日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)