フライツ氏は先週の韓米議員連盟所属議員らとの面会でも同じ趣旨の発言を行ったようだ。その時の様子についてフライツ氏は「何人かは喜び、何人かはあからさまに不快感を示した」と周囲に伝えている。フライツ氏は今回のインタビューで尹前大統領を巡る最近のメディア報道から「拘禁状態でひどい扱いを受けている」「死刑や終身刑に処される可能性もあるようだが、私は強く懸念している」と述べた。
数日後に発足から2カ月となる李在明政権についてフライツ氏は「米国と連携する実用的な外交政策を進め、中国や北朝鮮に強硬な対応を取ると李在明大統領は約束した。その言葉を聞いてとてもうれしかった」と語った。ただし韓国が韓米同盟を推し進める一方で、中国やロシアとも良好な関係を築くいわゆる「バランス外交」が可能か質問したところ、フライツ氏は「もちろん駄目だ。米国は数十年にわたり韓国と強力かつ緊密な関係を維持してきたし、現政権においてもその関係が維持されることを望んでいる」と述べた。また台湾海峡問題についてフライツ氏は「アジア太平洋地域における代表的な安全保障上の脅威だ」「全ての国、とりわけ韓国、米国、日本の三角関係に影響を及ぼすため、中国が台湾に軍事行動を起こさないよう3カ国はこの問題について協議を続けるだろう」との考えを示した。
トランプ政権発足前後からワシントンを訪問する韓国政府関係者はAFPIを度々訪れている。今週ワシントンを訪問する具潤哲(ク・ユンチョル)経済副首相兼企画財政部(省に相当)長官もAFPIに足を運ぶ予定だ。「李在明政権にはどんなアドバイスをするか」との質問にフライツ氏は「北朝鮮、中国、ロシアによる安全保障上の脅威は徐々に高まっている。韓国はこれに対抗し、米国や日本との安全保障同盟を維持し、断固たる態度を取り続けることが重要だと思う。この点において失敗の余地は認められない」と答えた。その上でフライツ氏は「私がこれまで聞いたところによると、これらの点は李在明政権も計画していることだ」として「米国は自国の同盟国であり親しい友人である韓国・日本と引き続き緊密に協力し、地域の安定を促していかねばならない」と強調した。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員