世界に恥をさらした セマングム・ジャンボリー組織委員長が国交相になるなんて【7月30日付社説】

 韓国国土交通部(省に相当)の金潤徳(キム・ユンドク)長官候補者は、韓国の恥を世界にさらした第25回世界スカウトジャンボリー(2023年、全羅北道セマングム)の組織委員長だった。同ジャンボリーを韓国の国際大会誘致史上、最悪の失敗事例にした張本人が、罰を受けるのではなく、ご褒美をもらうというのだ。

【写真】韓日ジャンボリー会場 韓国ネットで話題になったシャワー施設の違い

 セマングムで行われたジャンボリーに参加した世界約150カ国・4万人のボーイスカウト・ガールスカウト隊員たちは水たまりにテントを張り、腐った卵を食事として提供された。韓国国民の税金が1171億ウォン(現在のレートで約125億円)も投入されたが、不十分なシャワー施設や汚いトイレなど、基本的な衛生施設さえ問題になった。熱中症患者が1000人以上も続出したが、医療スタッフ・病床不足で放置された。結局、首相までやって来て、便器を自ら掃除した。企業や大学など民間の人員が総動員されて事態収拾に当たり、何とか終えることができた。

 金潤徳候補者はセマングム・ジャンボリーの企画・推進・実行にすべて介入した。セマングムでジャンボリーを開くことを提案し、現職議員だった2020年に組織委員会が発足すると共同委員長になった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後に組織委の人事異動があったが、金潤徳候補者だけは異動しなかった。ジャンボリー開催直前には「万全の準備をした」と投稿した。だが、監査院が今年4月に公開した監査報告書を見ると、キャンプに不向きな干潟をジャンボリーの誘致場所に決めたこと自体が間違いだったと分かる。金潤徳候補者が率いた組織委は猛暑に備えるべき物品・食事提供・医療・防除・廃棄物処理・トイレ掃除などほとんどすべての分野で準備不足だったという。現地ではセマングム・ジャンボリーをめぐっていまだに「詐欺だ」と批判の声が相次いでいる。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は金潤徳候補者を指名するにあたり、「国会国土委員として活動した際、業務理解と問題解決の能力を発揮した」と言ったが、どんな能力を発揮したというのだろうか。李大統領がその金潤徳候補者を国土交通長官に指名したのは、同氏が親明(李在明)派だからだろう。金潤徳候補者は2021年の共に民主党大統領選候補予備選挙の際、全羅北道地域で唯一、李在明候補=当時=を支持し、その功績で同党事務総長も務めた。国土交通長官は不動産問題にも取り組む最も重要なポストだ。そうした重要人事をこのような形で行ってはならない。

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  • ▲29日午後、ソウル・汝矣島の国会国土交通委員会で開かれた人事聴聞会で、議員の質疑に答える韓国国土交通部(省に相当)の金潤徳(キム・ユンドク)長官候補者。写真=news 1

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