「ここは韓国、チップ文化を導入するな」 飲食店に設置された箱が波紋 /ソウル

 ソウル・汝矣島の飲食店にチップボックス(チップを入れる箱)が登場し、論議を呼んでいる。

 インターネットのコミュニティーサイトには7月28日、「ソウル・汝矣島の飲食店に置かれたチップボックスは不適切だ」という趣旨の投稿が複数アップされた。投稿には「チップボックス」と書かれた赤い箱の写真が添付されていた。この箱には「料理はおいしく召し上がっていただけましたか? 常に最高のサービスと料理を提供するために努力しています。ありがとうございます」と書かれている。

【写真】飲食店に置かれた赤い「チップボックス」

 写真をアップした投稿者は「ここは韓国だ。チップの文化を導入するな」「やっかいなことをするな」と書き込んだ。

 チップ文化を巡る騒動は今回が初めてではない。2年前には、ある製パン店にもチップボックスが登場したが、世論の批判を浴びて撤去された。SNS(交流サイト)には当時、レジ前に置かれた「Tips!」と書かれたガラス瓶の写真が複数アップされた。世宗市内のうなぎ料理専門店でも「店員が親切に接客した場合、1テーブルにつき5000ウォン(約530円)程度のチップをお願いします」と書かれていたことが分かり、物議を醸した。

 現行の食品衛生法は飲食店のメニューの価格表示について、付加税(消費税に相当)とサービス料の両方が加算された最終価格を表示するよう定めている。チップについては強制性がなければ違法ではないが、客に別途サービス料を強制的に払わせるのは違法だ。

 米国の金融情報提供企業「バンクレート」が発表した資料によると、米国人の3人に1人はチップについて「自分の意思とは関係なく必ず支払わなければならない」という圧迫感を感じていることが分かった。また、米国人の3人に2人はチップ文化自体を否定的に考えていることも分かった。

チョン・ドゥヨン記者

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