■証券取引税・株式譲渡税も引き上げ
今回の税法改正案が国会のハードルを越えることができれば、来年から5年間、年平均で税負担は8兆2000億ウォン(約8800億円)増える。これは「富裕層増税」路線で法人税率などを引き上げた文在寅政権初の税法改正案の税負担増加幅(5兆5000億ウォン)の1.5倍に相当する。今回の税法改正案による税負担増加分の56.1%を占める4兆6000億ウォンが法人税率引き上げによるものだ。28%(2兆3000億ウォン)は証券取引税率の引き上げで生じる追加税負担だ。
税法改正案によると、現在0.15%の証券取引税率が来年から0.2%へと上昇する。文在寅政権は株式、債券、投資信託などの金融投資所得に別途税金(金融投資所得税)を課し、証券取引税は段階的に引き下げようとしたが、尹錫悦政権は金融投資所得税導入を白紙化し、証券取引税だけを引き下げた。今回は金融投資所得税が白紙化されたことを理由に、証券取引税を再び引き上げる格好だ。
ただ、市場では韓国総合株価指数(KOSPI)を5000の大台に乗せる公約を掲げ、資本市場活性化を主張してきた李在明政権の路線に反する政策だとの反応が出ている。証券取引税は収益が出るかどうかにかかわらず、全ての取引に課税されるため、小口投資家が激しく反発すると予想されるからだ。
株式譲渡所得税を支払うことになる大株主の基準も現在「1銘柄当たり50億ウォン以上保有」から従来の「同10億ウォン以上保有」に戻すことにした。持ち株比率基準(KOSPI1%以上、店頭市場コスダック2%以上、第3の市場コネックス4%以上)も復活させた。保有額が10億ウォン未満でも持ち株比率次第で課税するものだ。
株式譲渡所得税を納付する大株主が増えれば、課税基準になるタイミングの年末を前に大株主が節税のために保有株式を売り、小口投資家が損失を受ける事態が繰り返されることが懸念されている。
鄭錫愚(チョン・ソクウ)記者、キム・スンヒョン記者