港湾の次は鉄道…中国、東南アジアとアフリカに1万2000キロのレール敷設

 これらの鉄道網が完成すれば、中国は物資を輸送する陸路を管理下に置くことができる。特にシンガポールは中国が輸入する中東産石油の輸送路であるマラッカ海峡の入り口に位置する。中国は世界3位の石油輸入国で原油・原材料の90%以上を海上輸送で輸入している。しかし、マラッカ海峡、台湾海峡、バシー海峡などで中国の輸送路に隣接する国々は中国との関係が悪いか、米国の影響下にある。

 中国は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」事業の中心軸として掲げる「新ユーラシア大陸橋」を構築するため、欧州、南米での鉄道網も強化している。ハンガリーのブダペストとセルビアのベオグラードを結ぶ全長約350キロの鉄道は来年開通予定だ。中国が推進するブラジルのイリェウスとペルーのチャンカイをつなぐ全長4500キロの超長距離鉄道網構築事業も議論が進んでいる。昨年末、中国が60%の権益を持つ南米初のスマートメガポート「チャンカイ港」の第1期が開港したが、この港と鉄道が連携すれば南米とアジアの間で物流にかかる所要日数がこれまでの40日から28日に短縮される見込みだ。中国の伝統的なインフラ投資地域であるアフリカでは1970年代に中国が直接施工したタンザニア~ザンビア鉄道(全長1860キロ)の全区間を14億ドルをかけて改良する事業を今年下半期に開始する。

 中国の全世界での鉄道網構築は石油、ガス、鉱物などの戦略資源を安定的に確保するための戦略であり、米中対立のエスカレート時に米国の海上封鎖を回避できる第二の生命線をとなる構想だ。中国は現在、南極を除いた全ての大陸で港湾の運営権または権益を確保した状況にあり、陸上ネットワークが確保されれば、強力な物流網を動かすことができるようになる。鉄道、港湾のほかにも原材料採掘権、精製施設への投資、貿易航路開発などを通じ、複合的な物流体系を構築しているとの分析もある。

 中国は鉄道を利用した人的交流も奨励している。昆明とビエンチャンをつなぐ全長1035kmの中国・ラオス鉄道は7月18日から昆明南~ビエンチャン間の国際列車を増発し、1日2往復とした。運賃は542人民元(約1万1000円)で約10時間で走破できる。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

【図】世界に広がる中国の鉄道建設事業

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