日本が空母能力を保有するのは、中国けん制という観点からだと解釈されている。現在、空母戦力は中国がかなり上回っている。2012年に配備された初の空母「遼寧」とそれに続く「山東」を実戦運用中の中国は、年内に空母「福建」を就役させて3隻の空母を運用する計画だ。「福建」は、米空母「ジェラルド・R・フォード」に次いで世界で2番目となる電磁カタパルトを搭載した空母。満載排水量は8万トンを超える。排水量2万7000トンの日本の空母と比較すると、中国の空母3隻はいずれも2倍から3倍の大きさを持つ「正規空母」だ。中国は西太平洋で空母を基盤とする常時戦闘態勢を構築し、米国とその同盟国を遠距離からけん制する能力を強化する戦略を展開している。このため、2030年までに正規空母を6隻に増やしたいとする計画を立てた。また中国は、昨年12月には4万トン級の次世代強襲揚陸艦「四川」も進水させた。ディプロマットは「四川は中国海軍で無人機を発進させ得る初の揚陸艦になった」と評した。
ただし、日本が空母の運用を始めたことで、中国の空母は第1列島線(沖縄・台湾・フィリピン)と第2列島線(横須賀・グアム・パプアニューギニア)を超えて太平洋へ出ていくたびにけん制と監視を受けるものとみられる。1000キロほどと予想されている日本空母の作戦範囲を超えて自由に太平洋へ出ていくのは難しいからだ。米軍が日本の空母保有の努力について「自由で開かれたインド太平洋を維持しようとするわれわれの共同目標に寄与するもの」として積極的に支援したのも、これが理由だ。
日本は、艦載機のF35Bと共に地上から出撃するF35Aも運用する予定だ。日本は今後、計100機あまりのF35Aを実戦配備する計画だが、日本近海の小さな島々に離着陸するF35Aが、相対的に規模の小さい海自の空母の乏しい戦力を埋めるものとみられる。また、海自の空母は米空母と連携した作戦を念頭に置いており、中国としては厄介な存在と感じることは避けられない―という分析も出ている。
成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長、北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員