中国貴州省の女性官僚(61)、政府のサーバーでビットコイン荒稼ぎ 

 中国貴州省でビッグデータ産業を統括する女性官僚が、政府サーバーを使ってビットコイン327個をマイニング(採掘)し、巨額の利益を着服したとして処分されたと報じられている。当時のビットコイン相場で計算すると、着服額は1億5000万元(約31億円)相当とされる。

【写真】元「ビッグデータ発展管理局長」景亜萍氏(61)

 中国メディアによると、貴州省の景亜萍・元ビッグデータ発展管理局長(61)は政府のサーバーを利用してビットコインを違法にマイニングした疑いで5日、共産党の党籍除名、公職からの解任処分を受けた。ビットコイン(仮想通貨)のマイニングとは、パソコンやサーバーを使い、仮想通貨の取引に必要となる複雑な計算処理に協力し、その報酬としてビットコインを得る行為を指す。

 景元局長は電子エンジニア分野の技術官僚で、2019年に貴州科学院院長に就任。2021年からビッグデータ発展管理局長を務めていた。しかし、昨年10月に突然解任された後、今年2月から司法当局の取り調べを受けた。中国専門家は「ビットコインの大量マイニングには大規模なサーバーを利用する必要があるが、京元局長は緻密にサーバー接続記録を改ざん、モニタリングを回避していた」と指摘した。

 今回の事件はビッグデータ産業の育成で知られる貴州省で起きた。貴州省は2016年、中国で初めて「国家級ビッグデータ総合モデル区域」に指定され、これまでに大規模データセンター39カ所が進出した。景氏が率いていたビッグデータ発展管理局も、そうした国家的支援を受けて設置された組織だ。

 中国で官僚が仮想通貨業者を支援したり、業者から賄賂を受け取ったりして問題になったことはあるが、政府高官が直接マイニングに関与し、利益を得ていたケースが判明したのは今回が初めてだ。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

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