■海がなくても養殖可能
ノリの陸上養殖技術が完成すれば、海のない内陸でもノリを育てることができる。まだ小さな水槽で実験を行う段階だが、陸上養殖に適したノリ品種が開発されれば、プールほどの広い空間でもノリを育てることができるようになる。海がなくても大型施設でノリを大量生産できるのだ。プルムウォン関係者は「既に内陸の高麗人参農家などから『厳しい高麗人参の農作業をやめ、ノリの養殖をやりたい』という連絡が来ている」と話した。
安定的な陸上養殖技術が確保されれば、乾燥ノリの原料となるノリを一年中確保できる。乾燥ノリを備蓄しておく必要もなくなる。現在は通常11月ごろから翌年5月ごろまでの冬季に7回ほどノリを収穫する。ところが、最近は水温が高く、12月まで収穫ができなかったり、収穫回数が半分に減ったりすることが増えている。たまたま適切な水温になると、一度にノリが大量に育ち、処理できずに廃棄するケースも生じる。ノリは海で収穫後、速やかに乾かして乾燥ノリにしなければならないが、加工業界の大半が零細業者なので、短期間には加工設備を増やせない事情がある。
今は収穫したばかりの新ノリは初秋にしか食べられないが、陸上養殖が商用化されれば、年間を通ずて新ノリが食べられるようになる。業界では今は料理材料として十分活用されていない加工前のノリを利用して新しい料理を作ったり、ノリ以外にも他の商品を開発したりすることも可能とみている。
海洋水産部の最終目標は、技術を商用化し、2029年までにノリを年間通じて陸上養殖できる養殖場を大規模に運営することだ。カギは陸上養殖に適した種子を開発することにある。陸上養殖に適したノリ品種の開発は、食品メーカーの大象が担当した。養殖場でノリが育つ際、四角形の水槽や円形水槽でどんな形が適しているのかも研究が盛んだ。そうした課題を解決するため、浦項工科大、公州大などの大学研究チームと全羅南道、全羅北道、忠清南道などの自治体も研究に加わっている。
五松(忠清北道)=キム・ユンジュ記者