類を見ない猛暑と地球温暖化は何もソウルに限ったことではなく、全世界の都心でネズミの群れが大発生する原因として指摘されている。世宗大学生命システム学部のキム・ヤンヒ教授は「ネズミは気温が上昇すれば、その繁殖力にも変化を及ぼす恐れがある」とし「夏場には半月から1カ月間隔で繁殖を繰り返すことができ、個体数が急激に増える」と説明した。
ネズミの群れがあちこちで発生したことで、駆除業者はかつてない好況に見舞われている。ソウルのある駆除業者の関係者は「昨夏まではネズミを捕まえてほしいという問い合わせが一件もなかったが、今年は2カ月の間に数十件にまで上った」と話す。他の業者の関係者も「マンション団地、2世帯住宅アパート、考試院(大韓民国の簡易宿所の一つ)、飲食店などから休む間もなく電話がかかってくる」と話した。
区役所は「スマートネズミ捕り」に乗り出した。ネズミが近づくと、ネズミの薬が入っている装置のドアが自動的に開閉し、ネズミを捕まえる仕組みだ。内部センサーがネズミの死んだことを確認すると、駆除業者に信号を送り、回収するようになっている。ソウル市江東区は昨年から最近にかけて計80台を設置した。冠岳区も地下鉄2号線のソウル大学入口駅、新林駅、奉天駅などに計17台のスマートネズミ捕りと共にネズミの薬を設置した。
ニューヨーク市は2023年、年俸15万5000ドル(約2300万円)で「Rat Czar」と呼ばれる齧歯目(げっしもく、ネズミ目)緩和局長職を新設した。昨年からは商業用ごみを排出する際、ふた付きの密閉容器の使用を義務付けた。パリでは下水道や排水口に逆流防止装置を設置し、ネズミの流入を防いでいる。イタリアのローマではネズミの繁殖期である毎年春・夏ごとにネズミ捕獲・防除キャンペーンを行っている。
キム・ドヨン記者