農産物・中国問題で調整難航、韓国閣僚3人が急きょ訪米する異例の事態 25日に韓米首脳会談

首脳会談直前に閣僚3人が訪米

 8月25日(現地時間)開催予定の韓米首脳会談を目前にして、産業通商資源部(省に相当。以下同じ。産業部)の金正官(キム・ジョングァン)長官が22日午前、李在明(イ・ジェミョン)大統領より先に米国へと出発した。外交部の趙顕(チョ・ヒョン)長官も李大統領の日本訪問に同行せず、21日の夕、先に米国へ向かった。趙長官はワシントンDC直行便のチケットを入手できず、アトランタを経由した。

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 産業部の呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長は20日にワシントンDCへ向かい、米国のジェミソン・グリア通商代表と会談した。通常なら大統領に随行して専用機で共に出発する閣僚が、このように次々と先行して出発するのは異例だ。外交消息筋は「両国間で首脳会談の主要議題についてのコンセンサスが形成できていない状況」と語った。

 魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は22日の記者懇談会で「現在、韓米同盟は経済・通商と安全保障の両側面で新たな挑戦に直面している」と語った。その上で、米国産農産物の輸入、対中協調、対米投資、国防費増額、米国製兵器の購入などの懸案を巡る協議が終わっていない状態だと明かした。

 「コメ市場の開放拡大」「米国産牛肉輸入制限の解除」など農畜産物問題について、魏室長は「米国が提起しているのは事実で、協議が進んでいる」としつつ、「特別な進展はない」「われわれは基本的立場に基づいて対処している」と述べた。コメ・牛肉の追加開放はない、という従来の立場を固守しているという趣旨だ。

 魏室長は、中国問題について「中国に対する米国の官・民の立場は、従来より少しタフなものがあり、そういう期待がわれわれに迫っているのもある」と説明し、「韓米首脳共同声明の文案協議をしているが、最終的にどうなるか断定はできない」としつつ、このように語った。両国間に立場の差がある、という意味だ。

 姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長が李大統領より先にワシントンを訪問しているが、これもまた初めてのケースだ。前例なき不確実性の中で韓米首脳会談が開かれることになりかねない、という見方が出ている。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者、朴正薫(パク・チョンフン)記者

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  • ▲金正官・産業通商資源相が8月22日、仁川国際空港第2ターミナル経由で米国ワシントンDCに向けて出発した。/写真=ニュース1

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