支持層の感情より国益を優先した韓日関係の継承、今後の李在明外交に期待する【8月25日付社説】 韓日首脳会談

 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と石破茂首相が23日、首脳会談を行い、両国間の協力強化を骨子とする共同プレスリリースを出した。韓日両国の共同プレスリリースは17年ぶりだ。

【表】韓日首脳会談の成果

 両国首脳は、プレスリリースで「国際社会のさまざまな課題に対し、パートナーである韓日両国が共に協力していかなければならないという点で認識を共にした」とし「インド・太平洋地域を含む域内の戦略環境の変化や近年の新しい経済・通商秩序の下、意思疎通を強化することとした」と述べた。その上で「急変する国際情勢の中で、揺るぎない韓日、韓米日協力を推進していくことが何よりも重要」「韓日関係の発展が韓米日協力の強化にもつながる好循環を引き続きつくっていくこととした」と表明した。両首脳は、北朝鮮の核への対応においても「韓米日協力を土台に(中略)国際社会との協力」を強調した。水素・AI(人工知能)など未来産業分野における両国間の協力を強化し、少子高齢化や防災問題への対応のための協議体も立ち上げることとした。かつて尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が追求していた韓日・韓米日協力の基調と似ている。

 こうした韓日首脳会談の様子は、これまで共に民主党が示してきた「反日」傾向に照らしてみると異例、という印象を持たせる。大法院(最高裁)の2018年徴用賠償判決以降、韓日関係は急激に悪化したが、文在寅(ムン・ジェイン)政権はこれを解決するよりも「竹やり歌」を歌って反日感情ばかりを刺激した。当時、韓日関係は「戦後最悪」と評価された。李大統領のかつての立場もまた、こうした民主党の気流とあまり変わらないものだった。そのため李大統領が政権を握った場合、韓日関係が再び過去に回帰するかもしれない―という懸念があったのは事実だ。

 1998年に日本を訪問した当時の金大中(キム・デジュン)大統領は、同じく当時の小渕恵三首相との会談で「両国間の不幸な歴史を克服し、未来志向的な関係を発展させよう」と合意した。その宣言が、共に民主党の伝統的に志向してきた韓日関係路線だ。石破首相も今回の会談で、金大中・小渕宣言を含む歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として継承していくという立場を明らかにした。

 李大統領は日本訪問に先立ち、メディアのインタビューで、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の韓日慰安婦合意と尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の徴用賠償解決策について「国として約束したのだから覆すのは望ましくない」と述べた。このように、イデオロギーよりも実用を優先する李大統領の立場について、日本では「両国関係が強化される」として喜んでいる。支持層の感情より国益を優先して考慮する李大統領の外交的選択が、これからも続くことを期待する。

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