李大統領が韓半島(朝鮮半島)の平和を構築してほしいとして「北朝鮮にトランプ・ワールドを一つ建てて、そこで私もゴルフができるようにしてください」と言うと、かすかな笑みをたたえていたトランプ大統領がニッコリ笑った。李大統領が「あらためて感謝申し上げます」と発言を終えると、トランプ大統領は手を差し出して握手を求めた。その後の会談はおおむね順調だった。昼食会で両首脳は過去に暗殺未遂に遭ったことやゴルフの話などを交わした。
トランプ大統領が「感謝」と「称賛」に弱く、ノーベル平和賞を受賞したいと思っていることはよく知られている。日本の石破茂首相は今年2月、「(トランプ大統領が暗殺未遂事件で助かったのは)神様から選ばれ、大統領に当選し、再び米国を偉大な国に、そして世界を平和にすると確信したに違いない」と述べ、無難に米・日首脳会談を終えた。一方、トランプ大統領の意見に反論したゼレンスキー大統領は「感謝の気持ちがない」と非難され、先日再びホワイトハウスを訪れた際には10回以上も感謝の言葉を口にした。
李大統領は会談後、米戦略国際問題研究所(CSIS)を訪れ「われわれの参謀の間では、ゼレンスキー大統領とトランプ大統領のような状況が起こるのではないかという懸念が出た。私はそうはならないだろうと分かっていた。トランプ大統領が書いた『取引の技術(Trump: The Art of the Deal)』=日本語タイトル『トランプ自伝 アメリカを変える男』=を読んだからだ。結果はとても良かった。全ての人が私に『忍耐しなさい』と助言した」と語った。韓国大統領秘書室の李圭淵(イ・ギュヨン)広報疎通首席秘書官も「『人間トランプ』を徹底的に分析し、備えてきた。『感謝する』という言葉を繰り返し、トランプ大統領の好みでホワイトハウス内部の装飾が変わった点もあらかじめ確認し、言及した」と明かした。また、「『ピースメーカー』はトランプ大統領が言われて最も喜ぶ表現だ」とも言った。
スージー・ワイルズ米大統領首席補佐官と「ホットライン」を作るため、姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長を合流させたことも功を奏した。姜勲植室長は会談開始の約2時間前から40分間、ワイルズ補佐官と会談した。姜勲植室長はトランプ大統領の投稿や特検捜査に対する韓国政府の立場を説明し、これをトランプ大統領に伝えてほしいと頼んだとのことだ。
キム・テジュン記者、チュ・ヒヨン記者