国土交通部のずさんな管理は、設計変更の過程からも見て取れる。本紙が確保した務安空港の最初の設計図は、ローカライザー下段のコンクリート土台が「横型」になっているが、実際の施工過程では、この土台が「縦型」に変更された。これはコンクリート構造物が作られた経緯などに関わるものだが、国土交通部は当時の設計変更に関する資料自体を保有していないことが分かった。当時、このコンクリート構造物に関してどのような議論があって、なぜ設計が変更されたのか、真相が全く分からないということだ。
国土交通部はその後18年にわたって毎年「空港運営検査」を実施してきたが、この検査もずさんだったことが分かった。この検査は空港施設法と国土交通部の告示によって「ローカライザー施設および設備」が壊れやすい状態で設置されているかどうかを点検することになっている。調査の主体である国土交通部は18年間、この項目をS(満足)と評価していた。
コンクリートの構造物を改善する機会は2020年以降もあった。務安空港は20年、ローカライザーの改良・交換工事を始め、昨年初めまで改良作業を実施していた。しかし国土交通部と韓国空港公社はこのとき、コンクリートの構造物をなくすのではなく、上部をさらに補強する案を選択した。設計業務を発注する際に「壊れやすさ(Frangibility)」を重視することを検討事項に含めていたにもかかわらず、実際に設計案が採択された際には、コンクリートの構造物を強化する案を、特に検討することもなく受け入れた。
一方、この日国会で行われた務安空港事故の真相究明特別委員会では、国土交通部傘下の航空鉄道事故調査委員会などがこの問題を十分に調査できるのかという疑問が提起され、特別検察官による捜査の必要性が話し合われた。金潤徳(キム・ユンドク)国土交通部長官は「必要であれば特別検察官による捜査もあり得ると考えている」と述べた。
キム・アサ記者