「大統領を捜査した罪」 検事左遷に被告人・李在明の弁護人が関与した不条理【コラム】

 さらに問題なのは、こうした人事が検察改革をますます難しくしていることだ。検察改革の核心は、捜査権を政治権力から独立させ、中立的に捜査できるようにすることだ。制度も重要だが、人事がそれ以上に重要だ。しかし、歴代政権は検察改革を進めると言いながらも、味方の検事は昇進させ、気に入らない検事は左遷させ、検察をまるで飼い犬のようにした。それがこれまで検察を台無しにした重要な理由だ。

 ところが、今回の人事でも李大統領を捜査した検事は左遷され、与党主導の3大特別検事に派遣された検事たちは要職に就いた。報復人事を行いながら、一方では情実人事を行う悪習を繰り返した格好だ。こんな人事を見て、どの検事、どの捜査機関が権力に対する捜査に乗り出すだろうか。

 今与党共に民主党は、検察改革という名分で検察庁を解体し、検察の機能を公訴庁と重大犯罪捜査庁に分割する一方、国家捜査委員会を作ってコントロールする法案を推進している。法案通りならば、捜査機関間の過剰競争をあおり、捜査権を政治に従属させる改悪になる可能性が高い。その渦中に現政権は報復人事、情実人事まで行った。こんなやり方では、現政権の検察改革も絵空事になるだろう。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)論説委員

【写真】「大庄洞開発不正疑惑」を捜査した検事たちと異動先

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