米国南西部の内陸にあるアリゾナに巨大な砂嵐が押し寄せ、空港の建物の一部が損壊し、航空便が遅延するなど被害が続出した。
AP通信などが8月27日、報じた。それによると、8月25日夕方、アリゾナ州の大都市フェニックス一帯が「ハブーブ」と呼ばれる巨大な砂嵐に襲われた。
【写真】巨大砂嵐「ハブーブ」襲来 一瞬で暗闇に包まれたサッカー場
SNS(交流サイト)には、砂嵐の動画が多数アップされた。自身のオフィスからハブーブを撮影したという人の動画を見ると、SF映画に出てきそうな高さ数十メートルの巨大な黄土色の砂ぼこりが積雲のように押し寄せ、一瞬にして都市部を覆い尽くしている。
広いサッカー場も砂嵐には勝てなかった。ハブーブが襲来すると、一瞬にして暗黒に変わった。
砂嵐に覆われた直後は激しい雷雨と強風に見舞われ、街路樹が倒れたほか大規模な停電被害が発生した。フェニックスを含むマリコパ郡では、約1万5000軒で停電が発生した。
フェニックスのスカイハーバー国際空港では、時速113キロの突風が吹き、建物同士を結ぶ橋とターミナルの屋根の一部が損壊した。屋根の資材が滑走路まで飛ばされたため、およそ1時間にわたり航空機の離着陸が中断された。
地域住民の外出や移動にも支障が出た。9歳と11歳の子どもを学校から自宅に連れ帰る途中でハブーブの襲来に遭ったというバーネン・ボイス・ハイトスマンさんは「道端に慌てて車を止めた。手を窓の外に出すと、目の前にある自分の手すら見えないほどだった」と話した。強い風で車が大きく揺れ、暴風が収まるまで15分ほど待ったという。ハイトスマンさんは「子どもたちが本当に怖がっていたので、自分は勇敢でいようと頑張った」「私もとても怖かった」と話した。
フェニックス郊外のギルバートに住む元大学教授のリチャード・フィリーさんは「細かなほこりが家じゅうのあらゆる隙間やスペースに入り込んだ」「写真で見ると壮観だ。なかなか美しい」と話した。
ハブーブは、砂漠地帯で夏の高温と低い湿度によって強い季節風が吹くことで発生する。強い上昇気流が地表面のほこりと砂を巻き上げることによって形成される。アリゾナでは最近、気温38度超の猛暑と極度の乾燥状態が続いている。
イ・ガヨン記者