特別検察官、金建希夫人を勾留起訴…大統領経験者の配偶者として初

ドイツ・モータース株価操作関与、選挙公認への介入、乾津法師請託関連の容疑

 特別検察官(特検)が29日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者の金建希(キム・ゴンヒ)夫人を資本市場法・政治資金法違反などの容疑で勾留起訴した。大統領経験者の妻が勾留起訴されるのは初めて。大統領経験者夫妻が同時に勾留状態で裁判を受けるのも、韓国の憲政史上初の出来事となる。尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は既に内乱特検によって勾留起訴され、裁判を受けている。

【表】金建希夫人の主な容疑

 特検はこの日、「きょう(29日)午前、金建希氏を資本市場法違反、政治資金法違反、特加法違反(あっせん収賄)容疑で勾留起訴した」と明かした。

 金建希夫人は、資本市場法違反(ドイツ・モータース株価操作関与疑惑)、政治資金法違反(2022年・2024年の選挙における公認介入疑惑)、特定犯罪加重処罰等に関する法律違反(あっせん収賄。乾津法師を通した統一教会請託疑惑)の容疑で今月12日に逮捕されていた。

 金建希夫人は今月14日、18日、21日、25日、28日の計5回にわたり、勾留状態のまま特検の事情聴取を受けたが、ほとんどの質問について供述を拒否した。金建希氏の弁護人団は、裁判で容疑に関して誠実に疎明するとの立場だ。

 ドイツ・モータース株価操作事件は、上場企業であるドイツ・モータースの筆頭株主で代表取締役だったクォン・オス元会長が2009-12年に株価操作者や証券会社の元職・現職の役員・社員ら13人と共謀し、157口座を使ってドイツ・モータース株1599万株(636億ウォン=現在のレートで約67億3000万円。以下同じ)を違法に取り引きしたというものだ。検察による捜査や関連の裁判で、金建希夫人名義の証券口座6つが株価操作に使われていたことが判明した。特検は、金建希夫人が事前に株価操作の事実を知っていたとみている。

 金建希夫人は2022年の国会議員補欠選挙で、保守系与党「国民の力」(当時)所属の金映宣(キム・ヨンソン)元議員が慶尚南道昌原・義昌選挙区で党の公認を受けられるよう助けた惑いも持たれている。特検は、尹・前大統領夫妻が同年の韓国大統領選挙の過程で、政治ブローカーのミョン・テギュン氏と金映宣元議員から3億1800万ウォン(約3360万円)相当の大統領選挙関連世論調査の提供を無料で受けたものと疑っている。

 さらに金建希夫人は、昨年の総選挙で金映宣元議員に「選挙区をキム・サンミン元検事に譲り、キム元検事を支援してほしい」と言ったとされる疑惑、2022年4月から7月にかけて乾津法師を名乗るシャーマンのチョン・ソンベ氏を通じて統一教会幹部から1000万ウォン(約107万円)台のCHANELのバッグ2つやGRAFFのネックレスなどのブランド品を受け取り、統一教会関連の懸案の解決に手を貸した疑いも持たれている。

キム・グァンレ記者、イ・ソンモク記者

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