3回目のギフトは7月29日に届けられた。尹氏はチョン氏に、統一教の行事に教育部(省に相当)長官が出席するよう助けてほしいと頼み、6220万ウォン(約662万円)相当のグラフ(GRAFF)のネックレスを渡した。3日後、チョン氏は尹氏に「夫人は大きな贈り物だと驚いていた」「(教育部長官が出席するかどうかについては)特にお言葉はなかった」と伝えた。
特検は起訴状で、金夫人について「大統領の職務に該当する各種の国政運営に直接的・間接的に関与した人物」と適示し、チョン氏については「統一教側と共生関係を続けつつ各種の利益を得るとして金夫人と共謀した人物」とした。一方、金夫人側は「ブランド品を受け取ったことはなく、尹氏との電話は形式的なあいさつに過ぎない」という立場だ。
「ドイツ・モータース株価操作」事件について、特検は金夫人を共犯として適示した。調べによると、金夫人は2010年初めから12年1月まで2回にわたってドイツ・モータース株価操作に加担し、およそ3100回の非正常な取引で総額8億1144万ウォン(約8630万円)の利益を得たという。ただし、1回目の株価操作時の犯行は公訴時効満了により不起訴処分となった。
金夫人は、尹・前大統領と共に2022年大統領選挙の前後、政治ブローカーのミョン・テギュン氏から2億7440万ウォン(約2920万円)相当の世論調査結果58件の無償提供を受けた疑いも持たれている。特検は、世論調査結果の公表を禁じる、いわゆる「真っ暗(カムカミ)」と呼ばれる期間に金夫人がミョン氏から毎日結果を受け取っていたと判断した。
イ・ミンジュン記者