今月国連安全保障理事会(安保理)議長国となる韓国は2日に9月の会議日程を公表した。その内容を見ると、韓国が安保理議長国となる今月は北朝鮮関連の問題を扱う会議は1件も予定されていなかった。
【写真】2024年6月に議長国を務めた韓国大使が北の人権問題をテーマとする会議後に共同記者会見を行う様子
韓国は同日午後に米ニューヨークの国連本部で会見を行い、9月に安保理が行う主な会議について説明を行った。現在国連駐在大使は空席のため、会見は金相鎮(キム・サンジン)次席大使が担当した。今回公表された日程を見ると、韓国は今月北朝鮮関連のいかなる会議も現時点で予定していなかった。これを異例と感じた記者団から北朝鮮関連の質問が相次いだ。
例えば「ウクライナ戦争で北朝鮮がロシアを軍事面で支援する問題は安保理で議論されないのか」との質問に金相鎮次席大使は「現時点で北朝鮮問題は案件となっていない」「北朝鮮が挑発を強行すれば協議は確実に行われる。北朝鮮は間違いなく韓国にとって最優先の課題の一つだ」と答えた。別の外信記者が改めて「北朝鮮関連の会議は本当にないのか」と質問すると、金相鎮次席大使は「9月には計画されていないが、弾道ミサイルなどによる挑発があれば会議を行う準備はできている」と述べた。
議長国は安保理が行う全ての公式会議はもちろん、北朝鮮の核問題、ガザ地区問題、ウクライナ戦争など今も世界で議論されている問題で追加の緊急会議を招集する権限も持つ。他の理事国が追加の会議を要請した場合もスケジュールなどを考慮した上で、いかなる形式で会議を行うかを中心になって決めることもできる。
韓国は2023年8月に安保理で6年ぶりに北朝鮮の人権問題を扱う会議を招集し、昨年6月に韓国が安保理議長国となった時は脱北青年のキム・グンヒョクさんを招き北朝鮮の人権問題の実情を聞く会議などを開催した。それは韓国にとって国連安保理は北朝鮮の核問題、ロシアに対する軍事支援、人権問題などを包括的かつ効率的に国際社会に伝えられる重要な場だからだ。当時韓国政府は世界で北朝鮮の人権問題を訴えることの重要性を何度も強調した。
金相鎮次席大使は昨年、韓国が安保理議長国となった際「北朝鮮の人権問題改善に向け引き続き努力すべきと考えるわが国(韓国)の立場は変わらない」「人道支援は北朝鮮住民の苦痛を和らげる重要な手段の一つだ」と述べた。これは「北朝鮮の人権問題が話し合われた事例はあるのか」との質問への回答だ。さらに「北朝鮮の人権問題は副次的なテーマか」との質問には「(私は)そうは言いたくないし、北朝鮮の人権問題解決に向け引き続き努力が必要と考える韓国政府の立場は変わっていない」と答えた。
韓国の国連代表部は各国首脳らが出席する高官級週間に「国際社会の平和と安定の維持」というテーマで人工知能(AI)に関する公開討論会を開催すると発表した。この会議は李在明(イ・ジェミョン)大統領が主催する予定だ。ある外信記者の「北朝鮮によるAI使用も議論の対象か」との質問に金相鎮次席大使は「北朝鮮のような特定の国に議論の幅を狭めて扱うことを韓国は意図しておらず、もっと幅広い文脈で進める予定だ」と答えた。
ニューヨーク=尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員