労働新聞「継承問題、理論的かつ実践的に完璧に解決」 金正恩総書記の娘ジュエ氏訪中翌日に主張

金氏父娘が出迎えを受ける写真が公開される
「後継者発表」を国内外に宣伝か

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が娘のキム・ジュエ氏を中国訪問に同行させた翌日の3日、朝鮮労働党機関紙の労働新聞は「革命の偉業継承問題」について新たな記事を掲載した。この記事はジュエ氏の名前を出さずに後継者となる可能性を示唆したとして注目されている。

【写真】父・金正恩総書記と北京で出迎えを受ける様子

 労働新聞は3日付2面の「偉大なる金正恩同志の革命思想で徹底武装しよう」という見出しの記事で「わが国固有の特徴は、革命偉業の継承問題を完璧に実現した継承性が確固たる前途洋々の国という事実」とした上で「われわれ共和国はわずかな偏向や紆余(うよ)曲折もなく継承問題を成果として解決してきた。わが国では早くから革命の代をつなぐことを晩年之計の国の大事とし、この事業に多くの力を尽くしてきた。領導の継承問題を、党と革命の前途を左右する根本問題、社会主義国家政治体制の継承における根本問題と見なし、理論的かつ実践的に完璧に解決したことこそ主体朝鮮のこれ以上なき誇りであり矜持(きょうじ)だ」などと主張した。

 1面には中国の戦勝節80周年軍事パレード出席のため北京駅に到着した金正恩総書記が中国側の出迎えを受ける際、ジュエ氏がすぐ横にいる写真を掲載した。1面にジュエ氏と分かる写真を掲載し、2面に今回の訪中とは関係ない「三代世襲」を称賛する記事が掲載されたわけだが、これはジュエ氏による四代世襲を暗示するためとの見方もある。

 韓国政府当局者は「キム・ジュエ氏が後継者だと暗示したかどうかは定かではないが、これまで公開されたキム・ジュエ氏の写真などから考えると、後継者としての学びが続いているかもしれないし、あるいは説明できない状況かもしれない。いずれにしても鋭意注視する必要がある」と述べた。北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)碩座(せきざ)教授=寄付金によって研究活動を行えるように大学の指定を受けた教授=も「北朝鮮メディアの今後の報道をさらに見守る必要がある」として即断を避けた。金正日(キム・ジョンイル)総書記は金日成(キム・イルソン)主席の後継者として正式に決まる前の1959年にソ連、65年にインドネシアを金日成主席に同行する形で訪問した。

 キム・ジュエ氏の中国での動きは公表されていない。公式の職責がないわずか12歳の未成年のため、ジュエ氏が各国首脳らの出席する軍事パレードに姿を現さないのは外交慣例から見て当然で、非公開のスケジュールに従い動いている可能性が考えられる。韓国統一部(省に相当)次官などを歴任した野党・国民の力のキム・ギウン議員は本紙の電話取材に「後継者として必ず見ておくべき場所や、象徴的な場所を訪問するスケジュールをこなしているのだろう」「金正恩総書記が自らにとって初めての多国間外交にキム・ジュエ氏を同行させたのだから、中国も間違いなくジュエ氏を歓待するだろう。北朝鮮と中国で事前に緊密な協議も行ったはずだ」との見方を示した。

キム・ミンソ記者

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