光州広域市がゴミ焼却場用地を選定する過程で、一部住民が焼却場候補地に「偽装転入」した上で、焼却場建設に同意していたことが明らかになった。同地域では「住民の反対が激しくなったため、何者かが組織的に偽装転入をした」という話が飛び交っている。光州市は焼却場建設を暫定的に中止することにした。
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光州・光山警察署は9月2日、住民登録法違反・偽計による公務執行妨害容疑で光山区三巨洞の住民12人を検察に書類送検したと発表した。
光州市は昨年9月、三巨洞にゴミ焼却場を建てることを決め、住民の意思を問うた。88人のうち過半数の48人が賛成し、焼却場の建設が確定した。
ところが、焼却場建設に反対してきた「焼却場反対非常対策委員会」は今年5月、住民31人を警察に告発した。これらの住民が焼却場候補地の近くに偽装転入をした後、賛成票を投じたということだ。
警察の捜査結果、31人中12人が焼却場候補地近くに偽装転入した後、焼却場建設に同意したことが確認された。警察関係者は「12人は焼却場候補地のすぐ隣にある光州市立療養病院・同市立精神病院などに偽装転入していたことが分かった」と述べた。12人には、同市立療養病院の理事長も含まれている。警察関係者は「公務員がかかわった状況は把握できていない」としている。
光州市は焼却場を建設することを決め、2023年から用地公募に着手したが、住民の反対により2回失敗した。その後、光山区が誘致を申し出て、住民投票などを経て三巨洞の用地を最終候補地に選定していた。
光州広域市=チン・チャンイル記者