釜山市内で、フードデリバリーの配達員が飲食物の「配達完了写真」を撮影しながら実際には飲食物を届けずに持ち帰っていたことが客からの通報で発覚し、警察が捜査に乗り出した。
釜山水営警察署は、先ごろ水営区内の共同住宅から「フードデリバリーの配達員がドリンクを盗んだ」との通報を受けて捜査を進めていると1日、明らかにした。
警察によると、この配達員は先月24日深夜0時12分ごろ、水営区内のマンションにドリンクを届けに行き、そのドリンクを玄関ドアの前に置いて写真を撮るとそのまま持ち帰った疑いが持たれている。
今回の事件は、ドリンクを注文した被害者が防犯カメラの映像をSNS(交流サイト)にアップしたことで話題になった。
映像を見ると、問題の配達員は実際にドリンクを玄関の前に置いて写真を撮り、すぐにドリンクを持ち去っている。一部のフードデリバリー・プラットフォームでは、配達員が料理を非対面で配達した場合、配達完了の証拠写真を撮影して注文者に送ることになっているが、この配達員は証拠写真だけ撮ってドリンクを自分で持ち帰ったのだ。
映像は現在、650万回以上再生され、コメントも1000件以上ついている。コメント欄には「あまりにも堂々と持ち去っているので、犯行は1回や2回じゃないと思う」「通路に防犯カメラがあってよかった」などの書き込みが相次いだ。また、同様の経験をつづる人もいた。「似たようなことをやられたが、配達員が『やっていない』と言い張った場合、プラットフォーム側では対応のしようがないと言われた」「私も、配達完了という通知が来たのですぐに玄関に取りに行ったら、料理がなかった。まさにこれと同じ状況だったと思う」などの被害報告が見られた。
その後、被害者は配達員を窃盗容疑で通報し、捜査などの状況をSNSで共有した。
被害者によると、配達員は「配達先を間違えたと思って持ち帰ったが、移動中に注文キャンセルの連絡が来たため、自分で廃棄した」などとプラットフォーム側に釈明したという。しかし被害者は、注文キャンセルをしたのは配達完了通知が来てから1時間後だったことを根拠に、配達員がうそをついていると判断し、警察に窃盗被害の通報をしたという。被害者は「1時間以上も新たな配達先を探して走り回っていたなんて、あり得ない」として「これは許せないと思ってすぐに窃盗被害で通報しました」と説明した。
警察は、マンションの防犯カメラ映像などを既に確保しており、近くこの配達員に対する捜査を進める予定だ。
パク・ソンミン記者