友人よりも私のことをよく知っているアルゴリズム…データ監視社会は安全なのか

【新刊】マッケンジー・ファンク著、イ・ヨンレ訳『世界をデータベースに閉じ込めた男』(茶山草堂社刊)

友人よりも私のことをよく知っているアルゴリズム…データ監視社会は安全なのか

 研究によると、フェイスブックで「いいね」を10回押しただけで、アルゴリズムは職場の同僚よりも正確にユーザーの性格を推測できる。70回押したら、アルゴリズムの推測は友人やルームメートよりも正確になる。ソーシャルメディアに登場する、各ユーザーにマッチさせた広告は、こうしたアルゴリズムを利用している。私たちはビッグデータが監視する社会で生きている。

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 米国のジャーナリストである著者は、データ社会の明暗を論じつつ、「データ融合の父」と呼ばれるハンク・アッシャー(1951-2013)の生涯を追った。アッシャーは、政府が保有するデータで個人の履歴を分析した後、犯罪の可能性を予測するプログラムを開発して行政機関に提供した。プログラムは犯罪者を見つけ出すことに大きく寄与したが、罪もない人に犯罪者のレッテルを貼ってしまうこともあった。アッシャーの物語を通してデータ産業の歴史を取り上げる一方、全てがデータに還元される現実の危険性を警告する一冊。最近、移動通信会社からの個人情報流出問題で騒然となった韓国社会にも、示唆するところが大きい。440ページ、2万4000ウォン(約2540円)。原題は『The Hank Show』。

クァク・アラム記者

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