米不法移民取り締まりは成果を競うスポーツ? 熱狂するMAGAを止める人なし(上)

トランプ政権の最優先課題、中間選挙まではこの流れが続く見通し
ホワイトハウスの国境管理担当者「LG・現代自のような企業を引き続き摘発」
国土安保長官「必要な限り毎日作戦を遂行」
米国の韓国領事館、9カ所のうち4カ所が領事空席…コントロールタワーの大使も不在
韓国人専用ビザの拡充、短期間には実現困難か

 「自分がいかに愚かな行動を取ったのか悟ることになるでしょう。もうすぐ監獄に行く時間です」

 ドナルド・トランプ大統領を熱烈に支持する「MAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大に)」陣営は8日、X(旧ツイッター)上で、フロリダ州の上・下院議員を務めた元民主党政治家リンダ・スチュワート氏に対し、集中砲火を浴びせた。ここに「座標」を定めたのは、トランプ大統領との直接会話が可能で、かつ裏で人事や政策に相当な影響力を行使しているとされる強硬保守系インフルエンサーのローラ・ルーマー氏だった。スチュワート氏がこの日「移民税関捜査局(ICE)がオーランドのリンクス中央駅に現れた」と投稿したところ、ルーマー氏が「ICE要員に関する情報を公開したのは、取り締まりを妨害しようという意図からだ」と問題視したのだ。するとMAGA支持者たちが大騒ぎし、挙げ句の果てにフロリダ州のジェームズ・ウスミヤー司法長官が「法執行官の生命・安全を脅かす行為を中断せよ」として捜査を指示した。

【写真】米ジョージア州の女性政治家「私が通報しました」

 今回の事態は、第2次トランプ政権が発足して以降、ICEの不法移民取り締まりをMAGA勢力がどう見ているかを端的に示す事例の一つだ。トランプ大統領は昨年の大統領選挙で、不法移民追放を主なスローガンに掲げてキャンペーンを展開し、今年1月の就任当日には大統領令で「国家非常事態」を宣言して自身の反移民政策を本格化させた。不法移民追放政策を立案した「策士」といえるホワイトハウスのスティーブン・ミラー次席補佐官、トム・ホーマン国境管理責任者らの主導の下、米国全域で不法移民の取り締まり作戦が突発的に展開されている。当初はICEが南部国境地帯での取り締まりを最優先で実施していたが、この地域でメキシコからの越境者数が急激に減ったことから、その後は矛先は米国内部へと向かっている。今月4日にジョージア州の現代-LG(現代自動車・LGエネルギーソリューション)合弁工場で起きた大規模摘発のようなことが、今後も繰り返されるということだ。ホワイトハウスは8日にも「ミッドウェー・ブリッツ」と命名されたシカゴ地域の不法移民摘発作戦をPRし、ギャング団メンバーや殺人犯などを拘束したとして成果をアピールした。

 不法移民の追放はトランプ政権にとって最優先の国政課題の一つであるため、政権の命運が懸かっている来年11月の中間選挙まではこの流れが続く可能性が高い。取り締まりの過程で、合法的なビザを保有する市民が「不法移民」として扱われる事態もしばしば起きているが、トランプ政権は数々の法的論争にも全く動じない雰囲気だ。韓国系の永住権保持者が不可解な理由で突然拘束され、強制送還の危機に直面しているケースもある。ホーマン氏は7日、CNNテレビに出演し、今後は現代自・LG工場で実施したような取り締まりを「さらに多く実施する」と述べた。クリスティー・ノーム国土安全保障長官も8日、英国出張中に「全てが全速力で進んでおり、米国を安全に守るために必要な限り毎日作戦を実行できる」と述べた。ノーム長官は「(今回の事態は)全ての企業にとって、米国に来る際にゲームのルールがどうなっているかをはっきりと認識する絶好の機会だ」とした上で「われわれは、米国に来て経済に貢献し、人々を雇用しようとする全ての企業に対し、米国の市民を雇用することと、米国の法律を守って正しい形で働こうとする人々を連れてくることを奨励している」と述べた。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=UTOIMAGE

right

あわせて読みたい