韓国野党・国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は14日、公職選挙法違反などで拘束された孫賢宝(ソン・ヒョンボ)牧師について、「全ての宗教人に対する弾圧だ」と述べた。張東赫代表が同日、孫賢宝牧師が担任牧師を務めている釜山世界路教会(釜山市江西区)を訪れ、「これは反人権・反文明・反法治・反自由民主主義の問題だ」と言った上で発言したものだ。
張東赫代表は礼拝に先立ち、記者たちに「憲法ができて以来、こうした容疑で宗教指導者を拘束した例はなかっただろう。何よりもまず宗教弾圧の問題だ。自由民主主義の大韓民国で起きている宗教弾圧だ」と強調した。
孫賢宝牧師は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領弾劾反対デモを今年初めに行ったプロテスタント系団体「セーブ・コリア」の代表だ。孫賢宝牧師は釜山教育監(教育庁トップ)再選挙が迫っていた今年3月、教会礼拝の場で保守系の鄭勝允(チョン・スンユン)候補と対談し、その様子を動画共有サイト「ユーチューブ」などに掲載した疑いが持たれている。また、鄭勝允候補の選挙事務室で「勝利祈願礼拝」を行い、「右派候補を選んで、本当の神の国を打ち立てるべきだ」と発言した容疑もある。
さらに、大統領選挙前の今年5月から6月にかけて、釜山世界路教会で開かれた祈祷会や礼拝において「金文洙(キム・ムンス)候補を当選させて、李在明(イ・ジェミョン)候補を落選させなければならない」と言ったともされている。釜山地方裁判所の厳盛煥(オム・ソンファン)令状担当部長判事は孫賢宝牧師に対して「逃亡の恐れがある」として拘束令状を発行した。
張東赫代表は11日の党会議で孫賢宝牧師拘束について、「事前選挙運動容疑で、それも逃走どころか堂々と捜査を受けていた宗教指導者を拘束したことは、大韓民国の憲法ができて以来、初めてのことだ。剣で栄えた者は剣で滅びるだろう」と語った。
キム・ヒョンウォン記者