交際していた女性に別れを告げられたことに腹を立て、車で女性をひいて殺害しようとした40代の男が、控訴審でも重刑を言い渡された。
【写真】「私と暮らしたいなら…」 不倫相手に要求された男が自分の子ども2人を15階から投げる /中国・重慶
釜山高裁昌原支部は14日、殺人未遂などの罪で起訴された男(41)の控訴審で、一審と同じ懲役10年を言い渡したと明らかにした。同時に10年間の位置追跡用電子足輪の装着も命じた。
男は昨年10月、慶尚南道昌原市内の路上で車を急加速し、歩いていた30代の交際相手の女性を後方からひいて殺害しようとしたとして起訴された。女性は車に衝突された後、およそ13.7メートル飛ばされて道路の上に落下し、頭蓋骨を骨折するなどの重傷を負った。長期にわたって治療を受けたが認知機能の深刻な低下と左半身まひの障害を負った。
事件当日、男は別れを切り出した女性を車に乗せて走行し、別れないでほしいと説得したが、女性が聞き入れなかったため男は激高。焼酎2本を飲んでから犯行に及んだ。男は1カ月前にも女性と仲たがいして凶器で自死を試みるなど、極端な行動に出ていたことが分かった。また、過去に特殊強姦や詐欺などの犯罪で処罰を受けていた前科もあった。
男は、犯行が故意ではなかった上に心神耗弱状態だったと主張した。しかし裁判は、男が女性の歩いている方向に車の向きを変え、その後急加速するなど自分の意思に基づいて操作していた上、その直前に飲んだ酒の種類と量を正確に覚えていたことなどを基に、男の主張を受け入れなかった。
裁判は「男は女性に衝突する直前の2.5メートルの区間で急加速し、平均スピードは時速50キロに達していた。そして無防備だった女性に衝突して殺害しようとした」「女性は命が危なくなるほどのけがを負い、現在も症状が深刻である点、さらに被害もほとんど回復していない点などを考慮した」と説明した。
ムン・ジヨン記者