「金建希特別検察官」が逮捕した13人のうち9人は金建希夫人と無関係だった

 前日拘束された国土交通部書記官のK氏は、ソウル・楊平高速道路疑惑の主な容疑者だ。しかし、特検はK氏が個人的に業者から受け取った賄賂を理由にK氏を逮捕した。IMSモビリティーへの投資疑惑に関連しても、特検は8月29日、金建希氏の側近と呼ばれたキム・イェソン氏を横領の疑いなどで逮捕、起訴した。その際にも金建希氏との関連性は逮捕状には含まれなかった。

 特検は「三扶土建株価操作疑惑」で捜査を受けている同社のイ・イルジュン会長など現役および旧経営陣3人を株価操作の疑いで逮捕した。しかし、事件と金建希氏との関連性はまだ解明されていない。三扶土建の株価上昇に関連するメッセージを送り、事件捜査のきっかけとなったイ・ジョンホ氏を逮捕する際、特検が適用した容疑も別件の弁護士法違反だった。ドイツモータースの株価操作当時、金建希氏の口座を管理していたイ・ジョンホ氏が過去に共犯として関与した事件の捜査もみ消しの見返りとして金品を受け取った容疑だった。

 16日に逮捕された権議員の容疑も金建希氏とは直接関係がない。権議員が旧統一教会側から1億ウォンの違法な政治資金を受け取ったとして、逮捕状を請求した。

 特検が捜査対象を拡大しすぎているとの指摘も出ている。特検は最近、23年7月に浮上したキム・スンヒ元大統領室儀典秘書官による子女校内暴力もみ消し疑惑を内偵中だ。特検は金建希氏が影響力を行使し、金元秘書官の娘の校内暴力事件の処罰を軽減させたとみている。特検は金建希氏が23年8月に海軍の艦船上でパーティーを行った疑惑、昨年9月にソウル・宗廟の望廟楼で外部の人物と懇談会を行った疑惑も捜査中だ。

 特検法は、金建希氏が地位や大統領室の資源を利用して私的利益を追求した事件、捜査過程で判明した関連犯罪行為などを捜査できると定めている。しかし、特検による捜査が脇にそれているとの指摘も出ている。次長検事出身の弁護士は「特検は短い期間に限られた人材で運用されるので、金建希氏を巡る重要事案を解明することに集中すべきだ」と指摘した。

ユ・ヒゴン記者、ピョ・テジュン記者

【図表】金建希氏を巡る特検に逮捕された13人

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