睡眠中にたくさん夢を見ると、長時間寝てもなぜかすっきりしない。脳の疲れが取れないからだろうか。
明知病院のイ・ソヨン睡眠センター長(神経科教授)は「わたしたちが寝ている間、脳で老廃物の処理をする『グリンパティックシステム』が作動するが、この機能がうまく働かないと、頭がぼーっとして疲れを感じる可能性がある」と主張した。
睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠が90-120分周期で5回ほど繰り返される。グリンパティックシステムは夢を見ないノンレム睡眠状態で活発に働くが、レム睡眠が長くなり過ぎると、脳の掃除が十分にできない恐れがある。
イ・ソヨン睡眠センター長は「グリンパティックシステムは脳の老廃物の中でも認知症の発症にかかわるアミロイドβとタウタンパク質を除去するため、睡眠の量と質が不足すると、脳の健康に影響を及ぼす」と語った。実際に、レム睡眠に入るまで長くかかり、深く眠れない人たちは、そうではない人たちに比べアミロイドβ、タウタンパク質の割合がそれぞれ16%、29%高いという米国カリフォルニア大学の研究結果がある。
脳の健康のためには健康的な睡眠習慣を心掛け、ノンレム睡眠からレム睡眠への自然な転換を誘導しなければならない。イ・ソヨン睡眠センター長は「一日7-8時間の睡眠時間を守り、寝室にはなるべく外部の光が入らないようにするのがよい」とした上で「同じ時間に寝て、決まった時間に起き、睡眠環境を同一に保つのも重要だ」とアドバイスした。