武漢から新型コロナの状況を発信して4年間収監された中国市民記者、釈放1年後に再び懲役4年判決

 新型コロナウイルスの流行初期に、中国・武漢の状況を発信していた市民記者の張展氏(42)が、またしても懲役4年の判決を受けたことが分かった。張展氏は、大衆を混乱させたとして4年間収監され、釈放されてから1年しかたっていなかった。

【写真】張展氏(42)

 香港紙「明報」などが22日、報じた。それによると、中国・上海の浦東裁判所は19日、張展氏に懲役4年を言い渡したという。張展氏は昨年5月に釈放されて以降、人権活動家の張盼成氏を支援するために中国北西部の甘粛省に行き、同年8月に再び拘禁されたことが分かった。以前と同様に大衆を混乱させた疑いが持たれており、これまでの取り調べ・起訴・裁判は全て非公開で進められた。

 張展氏が支援していた張盼成氏は北京大学出身で、労働者の権利保護に向けて活動していた。共産党一党体制の下で不当に働かされる労働者のためにデモを実施し、逮捕された。インターネットで公開された起訴状を見ると、中国検察は、張展氏が海外のSNS(交流サイト)に、国のイメージを傷つけるような侮辱的で誹謗(ひぼう)中傷性のある虚偽情報を大量に流布し、社会の秩序を乱したと主張している。ただし裁判所は、裁判関連の文書を公開していない。

 国境なき記者団(RSF)は、浦東裁判所が米国や欧州の外交官7人の裁判出席を拒否したことを批判した。さらに、声明で「張展氏は監獄という残酷な環境に閉じ込められていてはならない。彼女は国際社会で『情報の英雄』として評価されるべき」だとして「国際社会が彼女の即時釈放に向けて中国政府に圧力を加えなければならない」と呼び掛けた。

 張展氏は元弁護士で、2020年初めに新型コロナが蔓延した湖北省武漢に潜入し、現地の状況を外部に向けて発信していた。当時、張展氏はユーチューブとX(旧ツイッター)で、「当局は住民に情報を提供せず、都市を封鎖した」と批判した。さらに「あらゆることが隠され、都市がまひしたということ以外には何も言うことができない」として「当局は伝染病予防という名目の下、我々を封じ込め、自由を制限している」と暴露した。

 これに対し、当局は「コロナに関する虚偽の情報を投稿し、海外メディアのインタビューで悪意を込めて伝染病を誇張した」とその年の5月に張展氏を拘束し、懲役4年の判決を下した。張展氏は上海女子刑務所に収監されたが、服役中も有罪判決と不当な処遇に反発して何度もハンガーストライキを実行した。21年にはRSFの「報道の自由賞」を受賞した。

ムン・ジヨン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=UTOIMAGE
  • 武漢から新型コロナの状況を発信して4年間収監された中国市民記者、釈放1年後に再び懲役4年判決

right

あわせて読みたい