尹前大統領 追起訴の初公判で起訴内容を全面否認=「特別検察官が職権乱用」

【ソウル聯合ニュース】韓国の特別検察官が尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領を特殊公務執行妨害や職権乱用権利行使妨害などの罪で追起訴した事件の初公判が26日、ソウル中央地裁で開かれ、尹被告は起訴内容を全面的に否認した。

 尹被告はこの日、紺色のスーツにノーネクタイで法廷に入った。髪は白く、以前よりやせた姿だった。尹氏が公の場に姿を現したのは約3カ月ぶり。

 被告人の身元を確認する人定質問では生年月日と住所を答え、一般国民が陪審員を務める「国民参加裁判」の実施は希望しないと述べた。

 続いて、特別検察官が起訴状を朗読した。尹被告は捜査機関「高位公職者犯罪捜査処」による自身の拘束令状の執行を妨害した罪や非常戒厳の宣言前に閣議に出席できなかった閣僚9人に対し憲法で定められた戒厳審議・議決権を侵害した罪、事実と異なる内容の戒厳宣言文を事後に作成し、後に破棄した罪に問われている。

 また、自身に好意的な世論を醸成するために事実でない内容が盛り込まれた文書をメディアに送るよう指示し、捜査に備えて呂寅兄(ヨ・インヒョン)前国軍防諜司令官らの盗聴防止用携帯電話の通話記録を削除するよう指示した罪にも問われている。

 尹被告側は、特別検察官が大統領による非常戒厳の宣言を内乱罪として起訴したことは職権乱用であり、高位公職者犯罪捜査処の違法な捜査や身柄拘束に対する大統領警護処の正当な職務執行を公務執行妨害と見なしたとして、起訴内容を全て否認すると述べた。

 また、起訴内容の一部が二重起訴に当たるとし、公訴棄却の決定を下すべきだと主張した。

 裁判所は、特別検察官法に基づき一審を6カ月以内に終えなければならないとして、週1回以上公判を行う方針を示した。

 この日の公判は撮影が許可されており、裁判の映像は個人情報を隠す処理を行った後にインターネットで公開される予定だ。

 大統領経験者の裁判を巡っては、過去に朴槿恵(パク・クネ)元大統領と李明博(イ・ミョンバク)元大統領の刑事裁判で判決言い渡しがテレビで生中継された例があるが、公判の映像が公開されるのは今回が初めてとなる。

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