食事? 運動? 世界最高齢だった117歳女性、長寿の秘密は遺伝子と生活習慣

 2024年に117歳168日でこの世を去った世界最高齢のマリア・ブラニャス・モレラさんの長寿の秘密が「遺伝子」と「生活習慣」だったとする研究結果が公表された。

 英ガーディアンと米ニューヨーク・タイムス(NYT)が報じた。それによるとスペインのホセ・カレーラス白血病研究所とバルセロナ大学の研究チームがブラニャスさんの生体サンプルと生活習慣を分析し、その結果が9月24日付のセル・リポーツ・メディシン誌に掲載された。

【写真】2024年8月に117歳で死去したマリア・ブラニャス・モレラさん

 ブラニャスさんは1907年に米サンフランシスコで生まれ、8歳で両親の出身地であるスペインに渡った。ブラニャスさんは2回の世界大戦、スペイン内戦、スペイン風邪、コロナ禍の全てを経験し、113歳でコロナにも感染したが回復した。2023年から、死去するまで世界最高齢者だった。

 息子は52歳で死亡したが、2人の娘は92歳と94歳だ。親戚はアルツハイマー、がん、結核、心臓疾患などで死亡したという。

 研究チームは死去の1年前にブラニャスさんの血液、尿、便などから得た遺伝体、転写体、タンパク質体、微生物群などに基づいて生物学的プロフィールを作成し分析した。ブラニャスさんは生前「私についてしっかり研究して他の人を助けてほしい」と医師らに伝えていたという。

 分析の結果、ブラニャスさんから老化の典型的な兆候が確認された。染色体末端小粒(テロメア)の消耗、非正常B細胞集団、白血病・炎症性疾患のリスクを高めるクローン性造血など老化の兆候が見られたと研究チームは伝えた。ただしブラニャスさんの末端小粒は特に短く、細胞分裂の回数を制限し逆にがんの発病を抑制した可能性が考えられるという。

 DNA検査では心臓や脳の細胞を疾病や認知症から守る遺伝子変異が発見された。全身の炎症数値が低く、がんや糖尿病のリスクが抑えられ、コレステロールや脂肪の代謝も円滑だった。

 これらの結果についてNYTは「ブラニャスさんは長寿を予測できる変異を持っており、遺伝的に宝くじに当選したようなものだ」と紹介した。研究チームのリーダーを務めたマネル・エステレル博士も「ブラニャスさんの生物学的な年齢は少なくとも10-15歳若かった」との見方を示した。

 生活習慣も長寿にプラスに作用したようだ。ブラニャスさんは喫煙も飲酒もせず、体重も標準で、1日にヨーグルトを3回摂取した。これにより腸内細菌叢(そう)には善玉菌のビフィドバクテリウムが豊富に存在していた。

 ブラニャスさんは2001年以降は一人暮らしを続けてきたが、家族は同じ村に住み、友人たちともたびたび交流した。5年前まではピアノも演奏していた。

 エステレル博士は今回の研究について「高齢者の健康を守る新たな治療法の開発にプラスになることを期待している」とする一方で「ブラニャスさんの両親は素晴らしい遺伝子を与えてくれたが、私たちは親を選択することはできない」ともコメントした。

チョン・アイム記者

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