李在明大統領の「側近中の側近」秘書官が室長に異動、国会の国政監査を避けるためだったのか【9月30日付社説】

李在明大統領の「側近中の側近」秘書官が室長に異動、国会の国政監査を避けるためだったのか【9月30日付社説】

 韓国大統領室が29日、「キム・ナムジュン第1付属室長を報道官として発令し、姜由楨(カン・ユジョン)報道官と共に役割を遂行する」と発表した。ところが、大統領の日程を補佐する第1付属室長の後任は公開されなかった。後任は、李在明(イ・ジェミョン)大統領の中心的な側近に挙げられるキム・ヒョンジ総務秘書官だと確認された。大統領室は「秘書官級の人選を発表したことはない」という理由でキム秘書官の名前そのものに言及しなかった。

【写真】キム・ヒョンジ大統領室総務秘書官

 キム・ヒョンジ室長は最近、国会国政監査出席問題で物議を醸した。長年、総務秘書官が大統領室国政監査から抜けた前例はないにもかかわらず、進歩(革新)系与党「共に民主党」は証人リストから「キム秘書官」を外した。総務秘書官は大統領室の人事・予算を担当するポストで、国政監査の対象だった。朴槿恵(パク・クンヘ)政権の総務秘書官は国政監査の場で「鄭潤会(チョン・ユンフェ)文書」疑惑、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の総務秘書官は金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人の国政介入疑惑などで、それぞれ民主党の追及を受けた。民主党は、キム秘書官の代わりに「秘書室長らが出席すればよい」と主張した。秘書室長が下位の人間である秘書官の代わりをするケースもあるのか。

 付属室長は総務秘書官と違い、国会に出席しない。尹錫悦政権の付属室長も昨年、国会出席を拒否した。李大統領は高位公職者ワークショップで、行政革新の事例としてキム秘書官の実名を挙げた。総務秘書官の職務をうまくやっている、という意味だ。ところが国政監査を前に突然、付属室長として発令を行ったのは、「国会に送り出したくない」という意図にしか見えない。

 キム室長は「実力者」であるにもかかわらず、ほとんど何も知られていない。李大統領を市民運動時代からずっと補佐してきた人物、というのが全てだ。1級公務員だが、年齢・学歴・経歴といった基本事項すら分かっていない。それにもかかわらず「全てはキム・ヒョンジに通ず」という言葉まで出回っている。こういう人物であればあるほど、国会に出てきて検証を受けるべきだ。それでこそ、後日の政権の負担も減らせる。

 民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表は29日も、国会聴聞会への不出席を通知した曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官)に向けて「判事は無誤謬(ごびゅう)の神なのか」と批判した。そんなことを言っておいて、実力者秘書官は大統領室国政監査にも呼べないという。国政監査が終わったら、キム付属室長を再び総務秘書官に復帰させるのだろうか。

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