警察に逮捕された李真淑(イ・ジンスク)前放送通信委員会委員長が2日、「李在明(イ・ジェミョン=大統領)がやれと言ったのですか。鄭清来(チョン・チョンレ=与党・共に民主党代表)がやれと言ったのですか。それとも『ケッタル(同党の強硬支持者)』たちがやれと言ったのですか」と問いかけた。
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これは、李真淑前委員長が同日午後、ソウル市永登浦区の永登浦警察署に連行される際、報道陣に手錠をかけられた手を見せて語った言葉だ。
李真淑前委員長は「放送通信委員会という一つの機関をなくすだけでは飽き足らず、今度は李真淑に手錠をかけるのか。『戦争です』という言葉を発した女性のことが思い浮かぶ」と言った。
李真淑前委員長が言及した「戦争です」という言葉は2022年、当時野党だった共に民主党の李在明代表に、キム・ヒョンジ補佐官(現・大統領室付属室長)が送った「戦争です」というメッセージを指すものとみられる。
警察は、李真淑前委員長が9月27日午後に予定されていた出頭調査要求に応じなかったため、10月2日午後に逮捕を断行したという。警察は李真淑前委員長に計3回の出頭を要求してきたが、実現していなかった。
李真淑前委員長は「先月27日は放送通信委員会をなくし、放送メディア通信委員会という新しい機関をつくるための法律を(与党が)通過させようとしていたし、(野党)国民の力所属の崔炯斗(チェ・ヒョンドゥ)議員、金張謙(キム・ジャンギョム)議員らのフィリバスター(無制限の討論による議事進行の合法的妨害)が予定されていた」と述べた。
その上で「機関のトップとして当然、出席しなければならなかった。国会に出席するために警察署に行けなかったという理由で、このように手錠をかけている」と主張した。李真淑前委員長はこの前日の10月1日、放送通信委員会が廃止され、放送メディア通信委員会が発足したことにより、自動的に免職となっていた。
李真淑前委員長は保守寄りのユーチューブ・チャンネルや交流サイト(SNS)を通じて公務員の中立義務などに違反した発言をした容疑(国家公務員法違反)や、李在明大統領当選を阻止するための事前選挙運動をした容疑(公職選挙法違反)が持たれている。
「政治的中立義務に違反したという指摘についてどう思うか」という記者たちの問いに、李真淑前委員長は「自己防衛の次元で話したものだ」とだけ答えて警察署に入った。
警察は、李真淑前委員長を取り調べた上で身柄をどうするか検討する方針だ。逮捕された容疑者については、逮捕時点から48 時間以内に裁判所に拘束令状を請求するか、あるいは釈放しなければならないと定められている。
ヤン・ボムス記者